ホーム > 医学トップ > 一般向けの医学の話 「レントゲンが正常なら結核はないと言えるのか?」 結核は、肺結核、気管支結核、腎結核、結核性髄膜炎、粟粒結核etc.、感染する場所により、様々ですが、排菌し他人に感染させる危険があるのは、肺結核と気管支結核です。 多くの肺結核は胸部レントゲンでわかりますが、一部は胸部CTでないとわからないものもあります。 気管支結核単独の場合は、胸部レントゲンやCTではわかりません。 排菌しているかどうかは、喀痰検査などで調べます。 1回だけの喀痰検査では見落としがあるので、疑いが強い場合は3回程繰り返します。 また、痰を飲み込んでいる人も多いので、喀痰検査でわからない場合は胃液検査で結核菌がいるかどうか調べます。 また、特に気管支結核の場合は、気管支鏡をして、組織の検査から診断する場合もあります。 「低血圧」 低血圧の人で最もよい食材は、「塩」つまり塩化ナトリウムです。 血圧についてのテキストでは、低血圧の人では、塩分を多めに摂取することを推奨しています。 また、カフェイン(コーヒーなど)をとると、一過性に血圧は少しですが上昇します。ただ、毎日カフェインを摂っていると1週間くらいで、血圧は元のレベルまでもどります。 「高血圧」 高血圧治療の最大の目的は、脳卒中(脳梗塞、脳出血など)の予防です。高血圧は脳卒中の最大の危険因子で、脳卒中は寝たきりの原因では最多です。 また、血圧が高いほど心肥大、心筋梗塞、心不全、腎機能障害、腎不全のリスクが高くなります。 血圧が高いと動脈がはやく傷んでくる、いいかえると早く血管が老化します。その結果、動脈の中で血栓(血の固まり)ができたり、動脈がやぶれて出血することがあります。(脳の動脈が最も出血しやすい:他の臓器のように周囲を支持する結合組織などがないので。) 当初血圧の薬が必要でも、ストレスがなくなったり減量や塩分制限などで、血圧の薬が不要になるかたもおられます。 血圧の高い人は昔は短命の人が多かったのですが、血圧の薬を飲み血圧を正常化させることで、寿命を全うできる可能性が高くなっています。 仕事柄、脳卒中の後遺症で、麻痺(手足が動かない)、失語症(言葉が話せない)、痴呆、寝たきりなどの患者さんを沢山みてると、血圧の治療は大切なんだな〜と思います。 「家庭血圧計」 家庭血圧計には、上腕で測るタイプ、手首で測るタイプ、指で測るタイプの3種類が市販されています。 正確性や血圧測定の再現性では、上腕>手首>指の順によいです。 指の血圧計は測るたびに値がばらつくことが多く、ほとんどおもちゃくらいの意味しかありません。 上腕の血圧計が値段も安く正確です。 手首の血圧計は若い人では比較的正確に測定できますが、高齢になる程測定誤差が大きくなります(手首の位置を少しかえたり、手首の高さを少し変えたりすると値が変わってくる)。 高血圧学会では上腕で測るタイプの血圧計を推奨しています。 オムロンやナショナルやタニタの、5000円くらいの上腕で測る血圧計を購入されるとよいです。 また血圧は座位(座った状態)で測定して下さい。 「膀胱炎」 1回あたりの尿量が多くなかったり、尿混濁があったり、排尿時痛があったり、尿をした後すぐしたくなるなどがあるなら、膀胱炎の可能性が高いと思います。 膀胱炎では膀胱に細菌(大腸菌が多い)が尿道から逆行性に入り、膀胱で炎症を起こします。 治療としては、 (1)水分を十分にとる(細菌を流し出す) (2)おしっこを我慢しない (3)排便時におしりをふくときは、前から後ろにふく (4)尿道周辺を清潔にする(お風呂の時によく洗う。ウォッシュレットを使う) (5)大至急でなくていいので、できるだけ早めに内科もしくは泌尿器科を受診し、尿検査をして、抗生物質を処方してもらう。 などです。 放置すると、時に、慢性膀胱炎(難治性)になったり、腎盂腎炎(悪寒戦慄とともに高熱が出て、放置すると敗血症になる時あり)になる場合があります。 「便潜血が陽性」 便潜血検査は大腸癌検診のために行われており、癌検診の中では最も費用対効果の高いものです。 一般の健康診断や人間ドックのデータでは、便潜血陽性の人に大腸ファイバーを行うと、約30%の人にポリープが、約3%に大腸癌が発見されます。つまり便潜血陽性の人の約30人に1人は大腸癌がみつかります。逆に言うと便潜血陽性の人の約7割は異常がみられません。 便潜血が陰性の人に比べ陽性の人では、大腸癌のリスクが20倍高いと言われています。 大腸ポリープも、ピンからキリまであり、ほとんど癌化しないものから、高頻度で癌化するものまで様々です。 以上から、人間ドック受診者で便潜血陽性の方には、念のため大腸ファイバーが勧められます。 「トローチ」 トローチは殺菌剤であり口腔内の細菌数は減少します。虫歯は口腔内の細菌により発症しますので、トローチで虫歯になりやすくはならないと思われます。 参考: http://www.kufm.kagoshima-u.ac.jp/~medinfo/didata/DI/di22/di18922.html 「やせる方法」 体で消費するカロリー以上に食べると、余ったカロリーが、脂肪細胞で脂肪になったり、肝臓で脂肪になります。 方法は、 (1)毎日の体重測定と記録 100gか200gが最小単位の体重計(体脂肪計でも可)を買い、毎日時間を決めて測定し、ノート or エクセルなどに記録する。 (2)有酸素運動 エレベーターを使わない。 早足で歩行する。 サイクリング、水泳などを。 運動療法は少しずつ回数多いのがよい。万歩計で1日1万歩以上が目標。 パソコンばかりしてないで、家事をしたり、体を動かしましょう。 (3)カロリーを減らす 油ものはカロリー高いので少なめにする。 食べ物を買う時カロリーの表示に注意。 砂糖を極力とらない(ケーキ、アイス、清涼飲料水はだめ)。 ジュースでなく烏龍茶にする。野菜100%のジュースは可。 炭水化物(ご飯、パン、うどん・そば・ラーメン・スパゲティー・パスタなどの麺類)を控えめにする。 野菜は、イモ類、かぼちゃを除いて、好きなだけ食べてもよい。 果物や100%ジュースもカロリーがあるのでとりすぎない。 (4)一日食べるカロリーが同じなら、食事の回数が多い方が、また朝に多い方がやせやすい。 「朝多く、昼普通、夕少なめ、寝る前に食べない」 「ストレスと肥満」 ストレスがかかると体は生体防御反応として (1)副腎皮質ホルモンが出る時 (2)副腎髄質からカテコラミン(アドレナリンやノルアドレナリンなど)が出る時 の二つの反応がみられます。 ストレスの種類や、ストレスに対する個人の反応性で(1)の割合が高い場合と(2)の割合が高い場合があります。 (1)の場合は太り、(2)の場合はやせます。 副腎皮質ホルモンが増えると、脂肪合成亢進(特に腹部など、体の中心部でおこりやすい)、蛋白異化亢進(上肢と下肢の筋肉量が減少する)、食欲増進(特に、ご飯、ラーメン、うどん、パンなどの炭水化物に対する食欲が増える)などがみられます。また、皮脂腺の活動性が高くなり、にきびができやすくなります。 アルコール摂取で、いわゆる「ビール腹」というのがありますが、これは、アルコールにより副腎皮質ホルモンの合成が亢進するからといわれています。 ホーム > 医学トップ > 一般向けの医学の話 |