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★★★為替サヤ取り(FXサヤ取り)★★★

2006/12/18記載

『1つの通貨を「買い」、別の通貨を「売り」』を同時に仕掛け、同時に手仕舞いする方法。

 この定義では、『米ドル買い+円売り』のポジションもサヤ取りになってしまいます。

 ところで、FXでの利益=為替変動の利益+スワップの利益です。

 現在のところ、円売りのポジション、つまり、『米ドル買い+円売り』 or 『豪ドル買い+円売り』 or 『NZドル買い+円売り』 or 『カナダドル買い+円売り』 or 『ポンド買い+円売り』 or 『スイスフランの買い+円売り』のいずれにおいても、短期のトレードを除くと、為替変動の利益はとりにくく、スワップの利益はとりやすい状況です。
 これらのポジションで1994年6月〜の相場で調べてみると、現在はいずれにおいても、「円安」の領域に入っています。Zスコアでみると、米ドル/円は0.40、豪ドル/円は1.64、NZドル/円は1.47、カナダドル/円は2.10、ポンド/円は2.13、スイスフラン/円は1.75です。

(ところで、Zスコア=(現在の値−平均)÷標準偏差です。偏差値でいうと、Zスコアが-1だと偏差値40、Zスコアが0だと偏差値50、Zスコアが1だと偏差値60、Zスコアが2だと偏差値70になります。逆に、現在の値が平均と同じなら、Zスコア=0となります。Zスコア>0だと平均よりは円安、Zスコア<0だと平均より円高になります。)

 これらのペアで為替変動の利益をとるには、円高の時に仕掛けて、円安の時に手仕舞いする必要があります。が、現在は円安領域に入っており、為替変動利益は少なくとも長期投資ではかなり長期間投資しないと難しい状況です。
 もし、今後、過去12年間で最大の円高に進行した場合、為替変動の損失をスワップの利益で埋め合わせるには、米ドル/円は約6年、豪ドル/円は6.5年、NZドル/円は約7年、カナダドル/円は10.5年、ポンド/円は9年、スイスフラン/円は20年かかってしまいます。

PS)ご存知の方が多いとは思いますが、「米ドル/円」とは、「米ドル買い+円売り」のポジションのことです。

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 以下の文章では、『他通貨買い+円売り』以外のポジションを、『FXサヤ取り』として扱うことにします。


【単一の通貨ペア】
★「スイスフラン売り」戦略
 スワップ狙いのときは、『スワップの多い通貨(米ドル、NZドル、豪ドルなど)の買い+スワップの少ないスイスフランの売り』という戦略でいきます。
 例えば、『米ドル買い+スイスフラン売り』などなど...。
 多くのFXの業者では、「米ドル/スイスフラン」というペアを持つには、「米ドル/円を買い+スイスフラン/円を売り」とする必要があります。いちいち書くのが面倒ですので、以後の文章では、略して「米ドル買い+スイスフラン売り」と書くことにします。
 スワップ狙いのときは、長期投資(4年以上)がよいかと思います。

 ちなみに、現在のZスコアは、米ドル/スイスフランは−1.04、NZドル/スイスフランは0.45、豪ドル/スイスフランは0.22。Zスコアだけからすると、米ドルについては、米ドル安+スイスフラン高ですので、「米ドル買い+スイスフラン売り」がよさそうです。
 もし、今後、過去12年間で最大のスイスフラン高に進行した場合、為替変動の損失をスワップの利益で埋め合わせるには、米ドル/スイスフランは2.9年、NZドル/スイスフランは3.3年、豪ドル/スイスフランは3.4年かかります。(それ以降は、各通貨とスイスフランのスワップの差が、利益になっていきます。)

 注意事項:「スイスフラン売り」戦略のリスク
(1) スイスフランの利上げ
 先日スイスフラン利上げがありました。また、今後もスイスフランの利上げが続くと言われていました。ただ、思ったよりもスイスの成長率がよくないようなので、今後の利上げが見送られるかもしれないという、微妙な状況です(個人的にはもう少し利上げがあると予想しています)。スイスフランの利上げが今後も続くと、スワップポイントが減ってしまう危険があります。またスイスフラン利上げがあると、「スイスフラン売りポジション」をすでに持っている人が買い戻す、つまりスイスフランのレートが高くなる危険があります。
(2) 米ドル・豪ドル・NZドルの利下げ
(3) 有事のスイスフラン買い
イラク情勢やらイスラエル情勢やらなどで、スイスフランが高くなる可能性がある。
とくに、米ドルは、イラク情勢やら米国のすさまじい双子の赤字やらをみていると、「米ドル/スイスフラン」のポジションは十分に注意したほうがよいと思います。


「米ドル買い、スイスフラン売り」のポジションでは、ボラティリティが比較的高く、プラスのスワップがつくので、トレンドに従った短期売買にも使えます。



★「米ドル買い+カナダドル売り」戦略
スワップがプラスになるペアで、最もZスコアが小さいのが、このポジションです。
現在、Zスコア=−1.85と、かなり「米ドル安、カナダドル高」となっています。
くりっく365でいうと1万ドル単位でのスワップポイントの差は、1日50円→1年間に1.8万円です。
もし、今後、過去12年間で最大のカナダドル高に進行した場合、為替変動の損失をスワップの利益で埋め合わせるには、米ドル/カナダドルでは2.75年かかります。
 注意事項:「米ドル買い+カナダドル売り」戦略のリスク
(1) 米ドルの利下げ
    十分におこりそうです...(^_^;
(2) カナダドルの利上げ
(3) イラク情勢の悪化や米国の双子の赤字による米ドル安
(4) 原油高によるカナダドル高

まとめると、「米ドル買い」ポジションを持つには、もう少し待ってもよいのでは、と思っています。

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