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【リスクとリターン:その1】
過去のリターンから予想される平均リターン→高いほどハイリターンです(当たり前ですが)
平均のぶれ=標準偏差ですが、標準偏差が大きくなるほど、ハイリスクといえます。
株や不動産に比べ、国債は平均のぶれ=標準偏差が小さいです。ですので、ローリスクといえます。
(2006年4月18日)

【リスクとリターン、期待値、について】
 金融商品などのリスクとリターンについてですが、「ハイリスク・ハイリターン」とか、「ローリスク・ローリターン」とか聞かれたことがあるかとは思います。


あなたはどれを選びますか?(利子の税金を20%として)。
 (E) 架空の銀行で「神戸太陽銀行」というのがあったとします。この銀行の1年もの定期預金の利率が3%ですが、1年間で倒産する可能性が1%あります。
 (F) 架空の銀行で「ぐにぐに銀行」というのがあったとします。この銀行の1年もの定期預金の利率は20%と高いですが、1年間で倒産する確率が10%もあります。
 (G) 架空の銀行で「しょぼしょぼ銀行」というのがあったとします。ごの銀行の1年もの定期預金の利率は40%と非常に高いですが、1年間で倒産する確率が30%もある。


(E)〜(F)について考える前に、まずはリターン、期待値、リスクについて説明します。

★まず、「リターン」と「期待値」について説明します。
 例えば、約15年前の1991年時点では京都銀行の1年ものの定期預金では利率が(おおよそ)6.0%でした(こんなによかったんですねぇ〜〜〜!!)。

 (A) もしその後1年間に京都銀行が倒産しないとすれば、1年間の平均リターンは6.0%→実際には利子に20%税金がかかりますので、1年間の平均リターンは4.8%です。期待値は1.048となります。仮に、100万円預けていたら、1年後には104万8000円になる、ということです。

 (B) もし預けた時点から1年間で京都銀行が倒産する確率が100%で、お金が戻ってこないとしたら、この定期預金の1年間の平均リターンは-100%(マイナス100%)、期待値は0です。仮に100万円預けていたら1年後には0円になってしまいます...(^_^;。

 (C) もし預けた時点から1年間で京都銀行が倒産する確率が50%なら、この定期預金の1年間の平均リターンは-47.6%、期待値は0.524です。仮に100万円預けていたら1年後には52万4000円になってしまいます。予測される期待値からは、元本割れになる可能性が多いと考えられます。

 (D) もし預けた時点から1年間で京都銀行が倒産する確率が1%なら、この定期預金の1年間の平均リターンは3.752%、期待値は1.03752です。仮に100万円預けていたら1年後には103万7520円になります。

(A)〜(D)を比較すると、(A)が最もハイリターン、(B)が最もローリターンであるということは、容易にわかると思います。
 一般的に、(B)や(C)のように、「リターンがマイナスになるもの」=「期待値が1未満の場合」を、「マイナスリターン」と呼びます。


★で、次に「リスク」について説明します。
「リスク」を国語辞典で調べると、「損害を受ける可能性」とのっています。金融商品でのリスクは、損害=「元本割れ(原価割れ)する可能性」=「元本割れする頻度」のことです。
 ハイリスクとか、ローリスクとかの言葉は、相対的なものです。
 一般に普通の銀行は倒産するリスクがかなり小さいので、普通の銀行の定期預金とか普通預金は、一般に「ローリスク」と言われています。
 一方、株とかは、株価が上がる可能性もありますが、大きく下がり元本割れする可能性もあるので、一般に「ハイリスク」と言われています。

上の(A)〜(D)の例では、(A)のリスクは0%、(B)のリスクは100%、(C)のリスクは50%、(D)のリスクは1%です。


 それでは、あなたはどちらを選ぶでしょうか。
 (E) 架空の銀行で「神戸太陽銀行」というのがあったとします。この銀行の1年もの定期預金の利率が3%ですが、1年間で倒産する可能性が1%ある。
 (F) 架空の銀行で「ぐにぐに銀行」というのがあったとします。この銀行の1年もの定期預金の利率は20%と高いですが、1年間で倒産する確率が10%ある。
 (G) 架空の銀行で「しょぼしょぼ銀行」というのがあったとします。ごの銀行の1年もの定期預金の利率は40%と非常に高いですが、1年間で倒産する確率が30%もある。

 (E)の平均リターンは1.376%、期待値は1.01376→100万円預けると平均すれば101万3760円になると予測されます。元本割れのリスクは1%です。別の言い方をすれば、100人中99人は、100万円が102万4000円に、100人中1人は100万円が0円になります。
 (F)の平均リターンは4.4%、期待値は1.044→100万円預けると平均すれば104万4000円になると予測されます。元本割れのリスクは20%です。別の言い方をすれば、100人中80人は、100万円が116万円に、100人中1人は100万円が0円になります。
 (G)の平均リターンは-7.6%、期待値は0.924→100万円預けると平均すれば92万4000円になると予測されます。元本割れのリスクは30%です。別の言い方をすれば、100人中70人は、100万円が132万円に、100人中30人は100万円が0円になります。

→つまり、(E)に比べて、(F)はハイリスク・ハイリターンです。
 また、(E)に比べて、(G)はハイリスク・ローリターンです。
→(E)を選ぶか、(F)を選ぶかは、個人の考え方の問題です。
 (E)と(G)とであなたはどちらを選びますか?。投資でなく、スリルを求めるなら(G)でしょうが、堅実な投資家なら(E)を選びます。
 
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