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東日本大震災


【記事のスクラップ】








原発立地3町が法人税4億還付 関電業績悪化受け
2012年3月9日
 関西電力の原発が立地する福井県の美浜、おおい、高浜の3町は、2012年3月期の連結業績予想で過去最大の赤字額となる関電に、法人町民税合わせて約4億数千万円を返還することが8日分かった。原発停止が関電の経営を圧迫し、その影響が立地自治体の財政にも及んだ形。関電の営業所がある小浜市も約2千万円の返還を見込んでいる。
 法人住民税は、会社の前年度の業績を基に算出した額の半分を「予定納税」として秋に納めることになっている。関電は昨年秋、美浜町に2億円余、おおい町に1億円余、高浜町に1億円余を予定納税していた
 しかし、関電は12年3月期の連結業績予想について、純損益が2530億円の赤字に転落すると発表したことを受け、3町は予定納税分を還付することになった。
 美浜町は新年度当初予算案で、昨年秋に予定納税された法人町民税の返還分を「町税過誤納還付金」として2億1851万円を計上した。そのほとんどが関電分となる。
 おおい町も関電と関連企業から納められた法人町民税計1億3565万円を還付する見込みで、当初予算案に計上している。
 高浜町は法人税還付に備えて当初予算案で財政調整基金に1億2400万円を積み立てた。関電から6月に法人町民税の申告書が提出された後、6月補正予算で財調を取り崩して対応する見通し。
 小浜市も、法人市民税として本年度納められた約2千万円を返還する見込みで、6月補正予算で一般財源から予算措置をする方針。
 3町はいずれも12年度の法人税も減ると見込んでおり、返還は財政にとって痛手。ただ、おおい町総務課は「1億円以上の減収は大きいと言わざるを得ないが、新年度の町の税収総額は前年度よりも増えており、町の事業計画への特段の影響はない」としている。
 一方、県に入る法人県民税でも、関西電力のほか日本原電、北陸電力分を含めて返還が必要になる見通し。
福井新聞
 人口は、美浜町10,351人、おおい町8,525人、高浜町10,874人。
 関西電力の法人住民税の予定納税(前年分の業績を基に算出した額の半分)した分の返還分は、
美浜町2億1851万円、おおい町1億3565万円、高浜町1億2400万円として...
1人当たりの返還分は、美浜町21,110円、おおい町15,912円、高浜町11,403円。


 おおい町総務課によると、町の事業計画への特段の影響はないとのことです。
 おおい町で4人家族だとすると、1年間の関西電力からの法人住民税の減額分は、15,912円/人/半年×4人×2=127,296円/年。
 まあ、たいした影響はないのでしょうね。

 平成21年度決算における「おおい町」の財政状況について、主な指標等を全国の類似団体と比較分析した、市町村財政比較分析表(平成21年度普通会計決算).pdfによると、
「おおい町」の歳入総額は131.5億円。
財政力指数は「おおい町」1.10 vs 全国市町村平均0.48

 平成19年度の財政力指数ランキングでは、
町では、
1位宮城県女川町1.89(女川原発)、2位大阪府田尻町1.78(関空があるGirl)、3位愛知県三好町1.76(トヨタ自動車の工場が3つある)、4位長野県軽井沢町1.63、5位神奈川県箱根町1.62、6位福島県大熊町1.61(福島第一原発1号機〜4号機あり)、7位佐賀県玄海町1.60(玄海原発)、8位三重県川越町1.59(川越火力発電所)、9位福岡県苅田町1.57(日産自動車九州工場、トヨタ自動車九州苅田工場、九州電力苅田火力発電所、三菱マテリアル九州工場、日立金属九州工場、北九州空港などがある)、10位愛知県幸田町1.54(デンソー、王子チヨダコンテナー、パナソニック電工、日軽エムシーアルミ、フタバ産業などの工場多数)
20位京都府久御山町1.29
39位福井県高浜町1.06、41位福井県おおい町1.04、71位福井県美浜町0.86

市では、
1位東京都武蔵野市1.72、2位愛知県碧南市1.68、3位千葉県浦安市1.62、同3位愛知県刈谷市1.62、同3位愛知県豊田市1.62、6位静岡県裾野市1.52、7位愛知県東海市1.50、8位神奈川県厚木市1.47、9位千葉県成田市1.46、10位茨城県神栖市1.43

村では、
1位愛知県飛島村2.78、2位山梨県忍野村1.98、3位青森県六ケ所村1.92、4位茨城県東海村1.90、5位山梨県山中湖村1.67、6位新潟県刈羽村1.59、7位北海道泊村1.47

福井県税収、原発全停止で法人2税2.3%減 核燃料税は61億確保
2012年2月23日(木)
 定期検査に順次入った福井県内原発が再稼働できず、全13基停止の状態に至っている中、2012年度の県税収入にも影響が出ている。法人2税(県民税、事業税)は11年度6月補正後と比べ2.3%減の約193億円。製造業などは微増の見通しだが、税収の約4分の1を占める電力事業者は原発停止により業績悪化が見込まれ、マイナスとなった。一方、核燃料税は、他の立地道県は再稼働の見通しが立たないため計上を見送る中、出力に応じて課税する「出力割」を導入した福井県は約61億円を確保した。法人2税の税収を業種別でみると、電力・ガス事業者は約7億円減り、製造業などその他で約3億円増える見通し。
 企業の所得(利益)を基準とする法人県民税は9.1%減の40億7千万円。関西電力などは原発停止に伴う火力発電の増強で燃料費が膨らみ、収益を圧迫している。「決算見通しを見ると業績が悪化しており、税収にも影響が出る」(税務課)と見込んだ。
 法人事業税は0.3%減の152億7千万円で、電力・ガス事業者は収入(売り上げ)で算定するため影響はさほど出ていない。
 一方、核燃料税は昨年11月の改定前まで、原発に装荷した核燃料の価格に応じて課税する「価格割」のみだった。税率を引き上げてきたものの、ウラン価格や稼働率に左右され、10年度まで10年間の決算ベースで35億〜76億円と変動幅が大きかった。
 県は、原発が停止中でも税収が見込める出力割を全国で初めて導入。税率も12%から17%に引き上げ、うち8.5%を出力割、残り半分は従来通りの価格割とした。全原発が停止していても年60億円、5年で約300億円が見込める。
 西川知事は22日の記者会見で「県が原発の安全のために住民に責任を持ち、同時に日本全体の原発への課題に応えるための税制として適切な姿になった」と述べた。
 ただ、11年度予算は原発停止の影響を受け、2月補正で核燃料税は54億7千万円の減額補正をした。6月補正で64億7千万円を計上していたが、11月からの出力割による約10億円だけとなった。
福井新聞

高浜原発3号発電停止、定検入り 福井県内13原発全停止
2012年2月20日
 関西電力高浜原発3号機は20日深夜、発電を停止して定期検査に入った。21日未明には原子炉を停止し、福井県内の商業用原発計13基が全て止まる前例のない状況となる。定検を終えた原発は再稼働の見通しが立っておらず、国内の全54基が停止する可能性も強まってきた。
 国内で稼働しているのは、北海道電力泊3号機(北海道)と東電柏崎刈羽6号機(新潟県)だけとなり、この2基も4月末までに定検に入る。
 日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(敦賀市)も一昨年から停止している。
 関電は発電電力量に占める原子力の割合が約5割と全国トップ水準で、供給力確保は正念場を迎える。同社の需給見通しでは3月中旬までの最も厳しい期間で8.8%の電力が不足。昨年12月から前年同月比10%以上の節電を管内の家庭や企業に要請し、足元の需給は安定しているが、他の発電所でトラブルなどがあれば関西の電力需給が逼迫する恐れがある。
 関電は、ストレステストの手続きが最も先行する大飯3、4号機で早期の再稼働を目指す方針。経済産業省原子力安全・保安院は1次評価結果を「妥当」と判断し、現在は原子力安全委員会で二重チェックが行われている。
福井新聞

電源促進公金見送り、財政に影響 7市町76億“前借り”
2011年12月23日
 原発の立地を促す狙いで設けられ、本来は着工年度から運転開始5年後までが交付期間の「電源立地促進対策交付金相当分」。日本原電敦賀原発3、4号機の増設計画をめぐり敦賀市や周辺6市町、県は2005年度から計約76億円を前倒しで受け取ってきた。ところが東京電力福島第1原発事故を受けて本体着工の見通しは立たず、増設計画そのものに暗雲が立ち込めている。各市町は財政計画の軌道修正を迫られている。自治体関係者からは交付金依存への反省の声も出た。
 同交付金の限度額は、出力や各自治体と原発からの距離などで決まり、周辺市町の総額は所在地である敦賀市と同額になる。限度額は敦賀市145億3千万円、南越前町48億7千万円、美浜町22億8千万円、若狭町22億2千万円、県29億8千万円など計297億5千万円。
 敦賀市は着工年度の2年前から前倒しで受け取れる特例制度を活用。05年度の2億6千万円を皮切りに10年度までに計58億2千万円を受け取り、一般廃棄物最終処分場の建設や保育園の改修補助、新たな立地企業への補助、コミュニティーバスの運営委託費、医療費助成などに充ててきた
 しかし、福島の事故で状況は一変。同市は本年度も8億3千万円の交付決定を国から受けているが、政策推進課は「来年3月の着工を前提とした決定。破棄されることがあるかもしれない」とみる。
 8月には、本年度から5年間の中期財政計画で見込んでいた12億5千万円の同交付金を歳入から外す方針を決定。プラザ萬象の舞台設備改修や松原公民館建設などの事業を見送った。同課は「福祉や教育などソフト面には手を付けていない。市政運営の根幹が覆ることはない」と説明する。

  ■  ■  ■

 財政規模が小さい周辺市町にとっては影響はより大きい。

 南越前町は09、10年度に同交付金計5億4千万円で今庄、南条中の耐震工事を行った。本年度は1億3千万円を使えるが、実際の交付は年度末に事業の実績報告をしてから。既に河野児童館の新築工事などが進んでおり「取り消されれば大きな問題」(企画財政課)となる。
 同交付金を充てて12年度以降に本格着手する予定だった光ファイバーの全戸整備、防災告知放送のデジタル化は計画通りの実施が難しくなった。同課は「過疎化が進む町にとって他市との情報通信格差は大きな課題。住民の福祉向上や安全につながる事業は、他の財源を充てたり歳出削減してでもやる必要があるが…」と頭を悩ませている。

 越前町は12年度、越前岬水仙ランド再整備の工事費用に充てる計画だったが、交付金活用は困難との想定で当初予算編成を進めている。企画財政課は「町財政に余裕はない。交付金の見通しがつかなければ事業見直しが必要になる」と説明。10年度に約4億円の交付を受けた若狭町も「1千万円でも大きい財源」(政策推進課)とし、敦賀3、4号機増設計画の行方が財政計画に影響する可能性を指摘する。

 ある自治体の担当者は「福島の事故がなければ、もっと積極的に予算化していたかもしれない」と重要な財源だと強調。
 一方で別の町からは「交付金に依存した体質をずっと引きずってきた。事業に優先順位をつけ、歳出削減を行い、こつこつと限られた財源でやりくりする行政の原点に立ち返らないといけない」との反省が聞かれた。
福井新聞

脱原発「簡単でない」と西川知事 大阪・橋下氏にけん制
2011年11月28日
 原発依存度を下げるよう関西電力に要求する方針を示している橋下徹氏が大阪市長に当選したことについて、福井県の西川一誠知事は28日の記者会見で「『脱原発』は言葉としてはあるが、そう簡単なことではない」と述べ、関西圏の電力の5割以上を県内原発から供給している現状を踏まえた議論が必要とした。河瀬一治敦賀市長も同日の記者会見で「新エネルギーに切り替えるにも時間が必要。時間軸を考え、冷静な判断をしてほしい」とけん制した。
 大阪市は関電株式の約9%(3月末時点)を持つ筆頭株主。府知事時代から「脱原発」を主張してきた橋下氏は、自らが代表を務める「大阪維新の会」のマニフェストで、脱原発を関電に要求する方針を示している。
 西川知事は13基の商業用原発が県内に立地し、関西圏の電力需要の約55%を担っている点を挙げ「地域がリスクを抱えながら、大変な苦労をしながらやってきた。それで都市部の繁栄もある」と述べ、歴史的な経緯や現状も考えながら原発問題に向き合うことが重要とした。
 一方、河瀬市長は大阪市が関電の筆頭株主であるため「何らかの影響はあるのではないかと心配もされる」と懸念を表明した。
福井新聞
関西電力の時価総額は、2011/10/31現在で11,095億円。
福井県が関電の株を買い進めても、十分な議決権を取るのは難しいかと思います。
関西電力の筆頭株主は大阪市で8.9%。2位自社(自己株口)4.7%。3位日本生命4.5%。5位神戸市2.9%...。

塩害農地を1カ月で再生 大幅短縮、ベンチャーが開発
2011年10月29日
 東日本大震災の津波による塩害で台無しになった農地を「最短1カ月間で再生できる」という土壌改良材を京都市のベンチャー企業「マイファーム」が開発した。農地の再生を大幅に短くできるとして、NTTドコモとNECが復興支援の一環で、量産化の無償援助を決めた。
 農林水産省によると、東日本大震災で津波による被害を受けた農地は青森、岩手、宮城、福島、茨城、千葉の6県で計約2万4千ヘクタール。政府は、十分な量の真水で塩分を流し出す除塩作業などで「おおむね3年間での復旧を目指す」としている。
 これに対し、マイファームが開発した改良材は、数種類の微生物と有機堆肥(たいひ)を混ぜたもので、微生物が土に残った塩分を分解する。
 「約1カ月で作付けができる土壌になり、3カ月でほぼ元通りの土壌になる」という。6月から宮城県岩沼市の被災農地で使ってみたところ、2.9%だった塩分濃度が2カ月間で0.8%まで下がり、8月末にはトマトを収穫できた。

【書籍】


【医療】

【原発】

【防災】


緊急時避難準備区域解除 深刻な医師不足、震災前から激減 福島
2011年10月1日(土)
 原発から主に20〜30キロ圏の緊急時避難準備区域が30日、解除された。だが、医療サービスの不足は深刻。南相馬市は常勤医が震災前から半減し、県全体でも約12%の医師が自主退職した。医療現場からは「国の強制力がなければ医師拡充は期待できない」(南相馬市健康づくり課)と悲鳴が止まらない。

 避難した住民が帰還するための大きな条件のひとつに医療サービスがある。しかし、緊急時避難準備区域から解除された南相馬市原町区にある同市立総合病院では、震災前の3月1日に21人いた常勤医が10人(8月1日現在)に半減した。

 この結果、18科あった診療科のうち、産婦人科や眼科など6科が休診したままだ。「市内での出産は2つの民間医療機関に委ねるしかない」(南相馬市)という。仮に除染が進んでも、妊産婦が安心して帰還できる環境とは言い難い。

 入院機能の弱さも深刻な問題だ。同市内の各病院は震災前、計1329病床を擁していたが、震災後の避難や規制の結果、現在機能しているのは285床だけだという。

 県病院協会の前原和平会長(白河厚生総合病院院長)は、「震災前から医師不足が深刻だった地域で、一旦離れた医師復帰は難しい」と指摘する。

 同協会が7月、県内127病院に行った調査(54病院が回答)でも、浜通りや県北・県中を中心に、震災前に1168人いた医師のうち、67人が3月末までに離職し、7月までに全体の約12%にあたる計135人が離職した。

 看護師も同様で、震災前は6554人いたが、7月までに464人(約7%)が離職している。

 日本医師会や日本薬剤師会などでつくる「被災者健康支援連絡協議会」では全国から医師派遣を続けているが、数週間の短期支援が多いのが実情だ。「施設説明などで期間が終わってしまう。半年、1年来てほしいのだが」(前原会長)という。

 南相馬市では「解除されても見捨てられた状況は変わらない」(飲食業女性)との憤りは住民に根強い。全面帰還に向け、国の幅広い対応が求められる。


【DVD】

防災システム研究所
 1960年・チリ地震津波災害(50年目の現地調査)

「本当の原発発電原価」を公表しない経産省・電力業界の「詐術」
2011.8.、Foresight 新潮社
 この国では、「安定した復興」とは元の黙阿弥のことを指すらしい。政治家たちの錯乱ぶりに隠れて、原発と電力の地域独占は何の検証も経ずに、今まで通りそっくり継続される気配が濃厚である。福島の事故が打ち砕いた原発安全神話に代わって、経済産業省と電力会社が流布するのはもっぱら原発「安価」神話だ。

 火力や水力に比べ原発の発電原価が断然安いという、架空の、妄想に近い数字が幅を利かせている。評価も監視も放棄した新聞・テレビは、今度も懲りずに虚構の安価神話をただ丸呑みして、確かな事実であるかのように伝え、社会を欺き続けている。日本経済が沈没するとすれば、その原因は原発停止による電力不足や料金高騰などではなく、行政と業界が一体となった利権と強欲体質の温存が主因であろう。

<国民への「二重の恫喝」>

 6月13日、経産省所管の日本エネルギー経済研究所が、停止中の国内原発がこのまま再稼働せず、稼働中の19基も順次停止した場合、その分を火力で賄うと、2012年度は1家庭当たりの電力料金が毎月1049円増えるという試算を発表した。電力需要がピークを迎える夏を前に、停止中の原発の再稼働が議論になり始めたタイミングで、あまりにもあからさまな再稼働応援歌であった。

 政策選択において、自分たちに都合のいい試算や見通しを、傘下の研究機関に出させるのは、経産省のいつもの手口である。今回は、単なる世論誘導にとどまらず、原発を止めたら電気料金は上がり、一方で停電の危機も増大するという、2重の恫喝を含んでいた。

 この発表を普通に受け止めれば、発電原価が安い原発が止まって、原価が高い火力で代替すれば、発電コストが上がって料金も上がるのは仕方ないと、納得してしまう。

 しかし、電力会社もそれを監督する経産省も、発電所ごとの発電原価を一切公表していない。何度も情報開示を要求されているが、「企業秘密」だとして、かたくなに公開を拒んでいる。どこの原発がどれくらいのコストで発電しているかが分からないのに、それを火力で代替するといくら原価が上がるのかをはじき出せる道理がない。

 だから、試算をいくら読んでも、なぜ標準家庭1世帯当たり月1049円上がるのか、論理的根拠が見つからない。書いてあるのは、原発の分を火力で賄うと、燃料費が新たに3.5兆円かかるので、その分を料金に上乗せすると、1kWh当たり3.7円、1世帯で月1049円増になるという計算である。

 火力の燃料費増加分をそっくり料金に上乗せするというのは、全く論理性を欠いている。もしそれが正当なコストの反映なのだとしたら、原発というのはいくら動かしても一銭もかからない存在で、コストはゼロだということになってしまう。コストゼロというのは大抵の場合は「大ウソ」である。

<「モデル試算」という空想の発電コスト>

 本来は、原発稼働時の発電原価と、それを火力で代替した場合の発電原価を比較しなければならないはずなのに、原発の発電原価を隠してごまかすために、追加燃料費の全額上乗せなどという目くらましの虚構を組み立てねばならなかったのだろう。

 こんなご都合主義の数字をご大層に押し戴いて、原発が再稼働しなければ日本は沈むなどと、国民や地元に誤った判断を迫った新聞・テレビの罪は重い。もしまっとうな批判能力があるなら、この試算が実は「原発は止められる」ということを、原子力利権ムラ自身が証明したものであることに、気づいたはずだ。燃料費だけを追加すれば、日本の全原発の発電量を、火力で十分に代替できることを、経産省が認めたのである。

 経産省と電力業界は、「本当の発電原価」は公開していないが、原発安価神話の源になった、ご都合主義の数字ならちゃんと出している。半可通のエコノミストなどがよく例に引く「モデル試算による各電源の発電コスト比較」というのが、2003年に電気事業連合会(電事連)から発表されている。

 これはモデルプラントという架空の原発が理想的に運転されたときの、空想の発電コストを示した「夢と幻」の産物である。現実の原発のコストを何も反映していないし、何も示していない。実体とは無関係だから、見せかけの原発のコストが下がるように、好き勝手な、恣意的な設定で計算している。法定耐用年数が16年の原発も、15年の火力発電所も、40年間無傷のまま動かしたとして、コストを想像してしまった。

 その豊かな想像力の産物が「1kWh当たり原子力5.3円、石炭火力5.7円、LNG火力6.2円、石油火力10.7円、水力11.9円」という数字になって、霞が関や大手町を大手を振って独り歩きしている。

<電力会社自身の見積もりと激しく乖離>

 この数字がいかに現実と乖離しているかは、電力会社自身が原発の設置許可申請の時に、経産省の電源開発調整審議会(現・電源開発分科会)に提出した資料を見ればよくわかる。それによると、日本の主要な原発の1kWh当たりの発電原価見積もりは、「泊1号機17.9円、女川1号機16.98円、柏崎刈羽5号機19.71円、浜岡3号機18.7円、大飯3号機14.22円、玄海3号機14.7円」となっている。5.3円なんて原発はどこにも存在しない。

 比較的原価見積もりが高い原発を列挙したが、1kWh当たりのコストが10円を切っている原発が2つだけある。大飯4号機の8.91円と、玄海2号機の6.86円である。それを考慮しても、どこをどうやったら、日本の原発の発電原価が5.3円などと言えるのか。

 きっと原子力利権ムラの提灯持ちたちは、こう言うに違いない。「電調審への申請数字は、初年度の原価見込みか、16年の法定耐用年数運転を前提にしたもので、40年耐用のモデル試算は別物で、比較しても意味はない」と。

 それでは、現実の原発コストとは何の関係もないモデル試算を、何のためにはじき出したのか。その理由を経産省と電事連には聞きたい。原発は安いという架空のイメージを植え付けるだけでなく、本当は原発が他の電力に比べて圧倒的に高い「孤高」の電源であることを、ひた隠すためのプロパガンダではなかったのかと。

 2003年のモデル試算には、核燃料サイクルのコストは全く反映されていない。その後、さすがにまずいと思ったのか、経産省も核燃料サイクルやバックエンド(放射性廃棄物の処理・処分)の費用を、少しは組み入れた。しかし、高速増殖炉の開発・運転費用や、再処理を委託した英仏からの返還廃棄物の関連費用などは除外し、廃炉費用も極端に安く見積もっている。

<じつは断トツで高い原子力の発電コスト>

 モデル計算ではなく、公開されている電力会社の有価証券報告書から、これまでの原発の発電実績と費用をもとに、原発の発電原価を計算したのが、大島堅一・立命館大学教授である。現在の発電原価に1番近いと思われるその数字は、原子力8.64円、火力9.8円、水力7.08円で、原発は決して安くない。

 需要の変動に合わせた柔軟な負荷変動運転が苦手な原発は、需要の少ない夜間も目いっぱい発電する。それを昼に持ち越すために、夜間電力を使って水を下から上にくみ上げ、それを昼に落下させて電気を起こす「揚水発電」をしている。これはいわば原発専用のサブシステムだから、1kWh当たり40円とも50円ともいわれるそのバカ高いコストを原発の発電原価に組み入れ、さらに電源立地の名目で地元懐柔策に投入されている膨大な税金も反映させると、発電コストは原子力12.23円、火力9.9円、水力7.26円になり、原子力が断トツで高い電源となる。

 経産省や電事連の「試算」という名の発表が、大本営発表よりたちが悪いのは、経済成長の担い手としての、メディアからの盲目的な信頼を利用して、真っ赤なウソではなく、それらしい信頼性の意匠を凝らしていることだ。まさか、幹部のほとんどが東大卒の役所と会社が、詐術に等しい数字をもてあそぶはずはないと思ってしまう。モデル試算を現実と取り違えるのは受け手の方が悪いという、巧妙な逃げも用意されている。

<環境問題でも示された経産省のあざとい試算>

 その典型的な事例が地球環境問題でもあった。2009年8月5日、経産省の総合資源エネルギー調査会需給部会に、経産省から1つの試算が示された。お得意の試算である。経産省の試算インフレなどともいわれている。

 中身は地球温暖化防止の基本計画によるCO2など温室効果ガスの排出抑制策と、家計の可処分所得や光熱費負担の関係を、はじき出したという触れ込みだった。当時の自公政権の掲げた排出抑制目標は、2020年までに2005年比で、15%削減というものだった。それに対し、民主党は1990年比で25%の削減を主張していた。

 試算は両者が家計にどれくらい影響を与えるかを計算している。間もなく解散総選挙という時に、政権を争う与野党の環境政策の優劣を、一役所が比較してみせるという、かなりあざとい技だった。

 この試算をマスメディアのほとんどはこう報じた。「15%削減なら可処分所得は年に4万4000円減り、光熱費が3万3000円増える。25%削減だと可処分所得は年に22万円減、光熱費は14万円増える」。記事を読んだりニュースを聞いたりした人は、25%なんて削減すれば、これから毎年36万円も負担が増えると受け取ったに違いない。自公政権への露骨な応援歌である。

 事実、「家計を傷めて何が温暖化対策だ」という反応があちこちで聞かれた。この試算、今年6月の原発停止と家計負担の試算と同じで、奇妙奇天烈な想定でつくられている。2009年から2020年まで毎年1%以上の経済成長が続くと、20年には現在より家計の可処分所得は90万円以上増える。排出削減策を講じると、25%削減でも可処分所得は70万円ほど増えるが、何も策を講じなかったときに比べれば増加分が22万円少ないという話である。12年後に予想される可処分所得の増加分が、少々目減りするという程度の話で、無意味といってもいい。

 そんな数字を有難がって、排出削減を嫌う経産省や経団連の目論見通り、来年から毎年、家計の所得が22万円ずつ減っていくと触れまわったマスメディアの罪は重い。今年6月の試算と共通するのは、無理して虚偽を積み重ねているので、発表した経産省が自分の首を絞めている部分があることだ。25%減という大胆な排出削減を行なっても、経済は成長し、可処分所得は増えると、アンチ温暖化の経産省が認めているのだ。

<大臣は使いっ走りか>

 当時の経産次官であり、エネルギー官僚として地域独占の過ちを糊塗し続けてきた望月晴文氏が今、内閣官房参与として官邸にいる。本当に日本のエネルギーとして原子力が不可欠なら、安全性や経済性で虚構や欺瞞を重ねるのではなく、正直に発電原価も、隠された費用も明らかにして、国民に問うべきだろう。

 電力料金は「総括原価方式」で決まる。電力会社が社員の給与まで含めてかかった費用全部(原価)と、それに一定(現在は約3%)の報酬(利益)を上乗せして、電力料金収入とするのだから、絶対もうかる左うちわの地域独占である。現在時点での原価を、できうる限り明らかにするのは、電気事業者と監督官庁の契約者に対する義務だろう。

 E=mc2という質量とエネルギーの関係を示したアインシュタインの方程式は美しく、文明をエネルギーのくびきから解放する可能性を秘めている。実はその技術的な可能性を奪っているのが、嘘や騙しや脅しで、人をたばかろうとする利権集団ではないか。血税も含めて巨費を投じた原発には、必要な安全策をしっかり施し、ちゃんと働いてもらうべきだと思う。老朽原発は廃炉にして、原発最優先の歪んだエネルギー政策から、徐々にフェードアウトを目指すべきだろう。それに関するシナリオは既にいくつも提案されており、経産省の原発固執路線よりはずっと現実的なものがある。

 それにしても、九州電力の佐賀県・玄海原発の再稼働で、海江田万里経産相は、国が安全を保証すると言ったそうだが、どうやって保証するのか。国が原子力の安全を保証するのは、行政庁の審査と原子力安全委員会の審査の「ダブルチェック」を受けた場合である。安全委が安全指針の見直しをすると言っている時期に、行政が指示した安全策も途中でしかない玄海原発の安全を、国が保証できるわけがない。それが日本の法制度なのだ。海江田さん、東電本社に日参しているうちに、すっかりムラの住人になってしまったようだ。大臣が役所や企業の使いっ走りをするのは、あまり見たくない。



中国鉄道事故より悪質な日本の事故隠蔽
2011.8.、Foresight 新潮社
中国高速鉄道の事故で、中国当局による報道規制を非難する日本のマスメディアは、自らの姿を鏡に映して見たことがあるのだろうか。
5カ月前に、日本で起こった原発事故――3.11。その真実を、日本のメディアはどれほど伝えているのか。

 法的責任を負うべき当事者、つまり検察がまっとうに機能すれば当然起訴の対象となるべき組織と人間が、恣意的に加工して発信する情報を、無批判に世の中に広めているだけではないのか。結果として、責任企業と責任官庁による証拠隠滅を黙認してはいないか。
事故車両を地中に埋めた中国と、本質においてどこが違うのか。公然と物的証拠を埋没させた中国当局に比べ、断片情報を意図的に連発して、巧妙に国民を真実から遠ざけている日本の方が、事態は深刻ではないか

<1万ミリシーベルト超の高線量区域はなぜ突然出現したのか>

 恣意的な断片情報による世論操作の典型例が、原発排気筒の底部で毎時1万ミリシーベルト以上という極めて高い線量が観測されたとする、8月1日の東京電力の発表である。

 福島第一原発の1号機と2号機の排気筒底部で、1万ミリシーベルトまでしか測れない線量計が振りきれたという。また4日には、そこにつながる配管付近でも毎時3600ミリシーベルトが観測されたと発表した。メディアはこぞって「原発サイト内で最強の放射線」と大きく報じた。

 何の疑問も持たずにこの数字を垂れ流した時点で、報道機関としては失格である。無能といってもいい。広報機関に徹していて、報道なんかとっくに放棄しているというのであれば別だが、いささかの自負が残っているなら、数字の意味と発表の意図を問いただし、ニュースとしての価値を評価せねばならないはずだ。

 東電は3月12日のベントの際に付着したとするが、事故から5カ月もたってから、1時間浴びたら死に至るような高線量区域が突然「出現」したのはなぜか。本当に8月1日に新たに見つかったのか。同じ区域の7月1日の線量はどうだったのか、6月1日、5月1日、4月1日には、それぞれどうだったのか。そこを確認せずに「高線量区域見つかる」と報じたとしたら、お粗末というほかない。

 もし、最近急に高線量区域が出現したのだとすると、その線源となる強力で高濃度の放射性物質が、最近になって急に、または少しずつ排気筒の底部に移動したことになる。いずれにしろ、とてつもない高線量区域が新たにできたということは、福島第一原発のサイト内では、大量の高濃度放射性物質が未だにあちこち動きまわっていることを示している。事故は収束も安定もしていないし、その方向にも向かっていない。

 「工程表」のステップ1が完了したとする東電と経済産業省の7月19日の発表も、結果としては何の意味もなかったことになる。お手盛りの工程表に書かれている課題をいくらクリアしても、事故の本質的なリスク、大量の放射性物質が遮蔽も制御もできないままむき出しで存在している事態は、ほとんど改善されていないということを、高線量区域の出現が物語っている。

 もし、高線量区域は以前から存在していたというなら、何故これまで秘匿していたのか、何故今になって発表したのか、その真意を問うのがメディアの役目だ。どこにどれだけの放射性物質があるのかは、事故収束に不可欠の基本要件だ。高線量はいつ出現して、どれくらいの線量がどれほどの期間継続して放出されているのか。東電と経産省は常時監視・把握する義務を負っている。これまで隠していて、今頃になって公表したとすれば、その狙いを見極める必要がある。

 事故調査・検証委員会などの調べで、高線量区域がサイトのあちこちに存在することがばれそうになったからあわてて発表した、という推測も成り立つ。ステップ2に入ったといっても、循環冷却システムは故障の連続で、事故の収束が長引くことの言い訳として、作業員が近づけない高線量区域の存在をアピールしたかった、などという理由もあるかもしれない。

 どちらにしろ、このタイミングでの発表自体が相当に怪しいことは確かだ。それを怪しみもせず、情報を独占している東電と経産省の思いのままに、検証抜きで発表をなぞっているメディアは、多分、3月11日の真実には永遠に近づけないだろう。

<飛散した放射性物質の核種も量も明らかにされず>

 今、ネットで話題になっている動画 がある。東京大学アイソトープ総合センターの児玉龍彦教授が7月27日に衆院の厚生労働委員会で参考人として話した映像と音声で、放射能汚染に対する国会の「無策」、東電と経産省の「不実」を満身の怒りをもって告発している。学識と見識に基づいて道理を説くまっとうな学者が東京大学にもいたのかという驚きが、動画を見聞きした人の共通の感想だろう。

 児玉教授の厳しい指摘の中で、福島第一原発からどれくらいの放射性物質が外部に飛散したかを東電と経産省は一切公表していないとの告発が、特に印象に残る。どんな核種がどれほど飛散したか。東電と経産省は、事故対策の大前提となるこの数値を隠し続け、研究者にも情報を公開していない。中国並みの隠蔽体質などと言ったら、中国が怒るかもしれない。

 原発事故後、周辺地域の空間線量には2つのピークがある。3月15日と21日である。児玉教授はこの時の周辺地域の計測値から、広島型原爆20個分(ウラン換算)に当たる放射能が、福島第一原発から放出されたと計算している。

 3月11日からの11日間に、福島第一原発で起きたことを、国民はほとんど知らされていない。隣接する4基の原子炉建屋がすべて、次々に爆発して、原爆20個分の放射能が外部に放出されるという、世界にも例のない無様な事故の「原因」は隠されたままなのだ。

<機材を送り返し数値公開も拒む「隠蔽の実態」>

 児玉教授同様に、3月11日から21日までの事故の真実を、今後のあらゆる対策や判断の根拠にすべきだと、会見で強調したのは、新潟県の泉田裕彦知事である。

 8月4日に日本記者クラブで会見した泉田知事 は、今回の原発事故で、情報の隠蔽を「実感した」と語った。合計出力821万キロワット、世界最大の原発サイト、東電・柏崎刈羽原発を抱え、放射能漏れ事故を体験している知事は、安全性には幻想や神話ではなく合理的な根拠を求める。

 事故直後に支援のために福島に派遣した県の放射線モニタリングチームと機材が、活用されずに戻されたという。現場での観測数値も公開を拒まれ、隠蔽を実感したという。汚染の実態が隠されたことで、しなくて済んだはずの被曝が人数も線量も膨大に膨らんだと、東電と政府の対応を厳しく批判した。

 また知事は、3月11日には、福島第一原発1号機は津波が来る前に配管が破断し、電源の有無にかかわらず冷却材の喪失でメルトダウンした可能性が高いという、原発関係者の話を披露した。地震の後、福島第一原発で起きたことの実態を把握せずに、原発の再稼働など判断できるはずがないと、言い切っている。

 経産省出身の泉田知事の発言は重い。事業者、企業しか見てこなかった経産省の役人が、住民の安全や避難計画などに頭が回るはずがないともいう。

 海江田万里経産相が、事故の真実を何一つ把握しないまま、妙に前のめりになって原発安全を閣議決定も経ずに宣言し、玄海原発の再稼働を要請したのは、まさしく経産官僚の業界寄りの振り付けそのものだろう。水素爆発を防ぐのにドリルを備えて建屋のコンクリートに穴をあけるという、原子力安全・保安院が示したマンガのような追加的安全措置を、経産相は本気で信じたのだろうか。やらせ問題やストレステストの実施によって、前のめりの原発推進大臣はみごとにすっ転んだ。国会で泣いたのは、その痛さに「恥」を知ったからと考えたい。

<3.11をすべての原点に>

 放射性物質放出の2つのピークのうち、15日は前日までの水素爆発の連続による放出の累積効果という見方ができるが、21日は謎というのが、良心的な専門家たちの共通した疑問だった。単に降雨による放射性物質の降下というだけでは説明しきれない。

 8月8日付の朝日新聞1面に、この疑問を解く鍵となる研究が紹介されていた。旧日本原子力研究所の元研究主幹の田辺文也氏が、炉心への注水量の変化から、21日ごろに3号機が再び炉心溶融を起こした可能性が高いと指摘しているという。

 地震への真剣な備えを怠り、津波などは眼中になく、世界最長・最悪の事故を起こした上に、その後の事故対応を誤り、炉心の再溶融まで招いていたとすれば……。周辺住民の被曝などお構いなしに、事故対応の失敗を隠すため、データを公開していなかったのだとすると、その罪は途方もなく重い。

 「前向き」という言葉で、3月11日の真実にふたをしてはなるまい。原発の安全性評価も、新しいエネルギー戦略も、地域再生も、すべては3月11日が原点だ。そこを避けて通る言説はすべて虚構であろう。

トラック無料化、打ち切りへ=東北地方の高速、制度悪用で―国交省
2011.8月19日
 国土交通省は19日、トラックやバスを対象にした東北地方などの高速道路無料化について、8月末にも制度を打ち切る方針を固めた。トラックによる制度悪用が相次いでいる実態を踏まえ、継続は難しいと判断した。22日に開かれる「高速道路のあり方検討有識者委員会」に諮った上で、23日に大畠章宏国土交通相が正式表明する。
 東北の高速無料化は、東日本大震災の被災地支援を目的に、被災者が運転または同乗する車や、トラックなど中型車以上を対象に6月20日に始まった。期間は被災者が1年間、トラックなどはもともと8月末までの予定だったが、国交相は期間延長に意欲を示していた。
 しかし、常磐自動車道水戸インターチェンジ(IC)などで、無関係なトラックが制度を悪用する事例が多発。同省の7月の調査では、同ICを利用したトラックの約14%に悪用の疑いがあることが判明していた。被災者については、トラックも含めて全車種で9月以降も無料化を続ける。

京都府と岩手県陸前高田の送り火偏向報道問題まとめwiki
2011.08.16
問題の経緯 企画発案者は 大分県の美術家 藤原了児氏。 (「大文字送り火に、陸前高田の松原の薪・計画」) 元福井市議 後藤勇一氏とNPO法人「ふくい災害ボランティアネット」も主導。 つまり岩手県とも京都府とも直接関わりのない第三者によって、この企画は始められた。 使用する予定の薪は 当初から福井県のNPO団体より買い取ること前提で企画が始められている。 また、マツの購入費や運搬費は、送り火の支援団体「京都五山送り火協賛会」の支援や 市民から募るカンパを充てる方針とのこと。(京都新聞より) 8月12日の検査で福井のNPOから京都に搬送された薪から放射性セシウムが検出された為、送り火での使用は中止となった。 (薪の表皮から1キログラムあたりセシウム137が588ベクレル、セシウム134が542ベクレルの放射性セシウムがそれぞれ検出) 3月11日以前に制定されていた原子炉等規制法で、「放射性物質として扱う必要がない」とされる基準は 1キロ当たり100ベクレル (製品段階)とされていた。(毎日.jpより引用) 現在、薪の野焼きに関する国が定めた放射性物質の暫定規制値は存在しない。つまり、上記のような放射性物質と判断せざるを得ない木材を野焼きする場合、どの量なら可、あるいは不可という基準がない。そのため京都市は法的に、上記の量の放射性物質が検出された段階で中止という選択肢しかなかったと言える。 この事態以前は、「不検出なのに対応が酷い」と京都への非難を繰り返していたマスコミは、検出後は「大した値ではないのでおそらく安全であり対応が酷い」と、それまでの主張から論点をずらしつつ京都市バッシングを繰り返すという論調が散見される。一例:毎日.jpの記事。 その「大した値」には専門家の間でも開きがあり、各々の新聞社が勝手に断定できるものでももちろんない。問題の根底には国が全国で増え続ける放射性瓦礫の処分に関する、細かい規制値・処分方法・手順などを、国民のコンセンサスや複数の専門家の判断を煽ぐなどして速やかに決定すべきところ、国政の停滞によって後手後手にまわっているという現状があることは言うまでもない。 陸前高田市長は薪からのセシウム検出の件でインタビューを受けており、京都市の対応に憤っているが、「今後がれきの処理でいろいろなところにお願いするのに、(京都の検査で検出された影響で)持ち出せなくなる。」と被災者の鎮魂とは別の事情を気にしている模様。
大文字送り火は、銀閣寺山麓の住民による組織「大文字保存会」と、市民・学生ボランティアやボーイスカウトなどの協力を得て、保存・運営されており、年間を通じての入念な準備が行われている。 通常マツは2月に切り出され、3月に割り木となり、4月山頂倉庫へ運搬ののち1年以上乾燥させる。そして、前年より乾燥されたマツが5月に銀閣寺山門へ下ろされる。 (さらに詳細は http://www.gozan-okuribi.com/ 内、〈大文字〉→〈送り火が灯るまで〉参照のこと) 発案者がこの企画を発案したのは6月であり、保存会側では既に準備が整えられた段階での突然の申し出であった。 発案者がこのような定められた手順があると知った上で申し出たのかどうかは不明。 6月12?17日、陸前高田で、送り火保存会の受け入れは未定のまま、京都の送り火とは違う形式の送り火用の薪作りを開始。 ちなみに送り火では、祈念等の文言を記入するのは護摩木であって、薪ではない。このプロジェクトでは、薪に直接供養の文言が書かれており、この点からも、発案者が送り火慣習に不案内なまま進行したと考えられる。 また、放射性物質検査をする予定は立てられていなかった。 ↓ 6月16日夜、保存会が受け入れを伝える。 ↓ 数日前より保存会の決定を待たずにプロジェクトの広報活動がされており、6月17日東海新報や18日岩手日報社などすぐに記事が掲載された。マスコミ取材が先行し、美談として喧伝され始めたことに保存会が押し切られたという印象も拭えない。 また、保存会側が突然の申し出に戸惑う中、善意からとはいえ、数百年に渡る儀礼や慣習を軽んじた、見切り発車でのプロジェクトスタートであった。 発案者は6月18日初めて京都で保存会側と直接面談しているが、この際京都に来て初めて、大文字が銀閣寺の裏山であることを知ったという。この辺りの経緯は、「大文字送り火に、陸前高田の松原の薪・計画」に詳しい。 ↓ 報道等により、この企画を知った京都府民より松の安全性への問題視の声が上がり、発案者に安全検査をして欲しいと問い合わせる。 (保存会は、市民を安心させる事も大切、安全性が確認されたなら問題なく行えると伝える) ↓ 「検査をして欲しい」という内容の問い合わせに企画推進側が反発。 「京都の人たちは、福井の原発の電気を使っているのですから、放射能を受け入れるぐらいの気持ちで電気を使って欲しいです。」 と放射性物質自体の受け入れを要求するような文面をブログに掲載。 ↓ 1回目検査。発案者が検査結果を発表。放射性物質不検出と発案者側が提示した調査結果が、実は 放射性物質用の検査とは全く関係ない別種の検査であった。 塩害の有無 の確認のための単なる成分解析であり、そもそも放射性物質を測れない検査だった。 この時点でストロンチウムが検出されている。(7月8日のブログへのリンク) (自然由来か原発による人工的なものか、検出量などは不明) ↓ 再度、京都府民が問い合わせ。 ↓ 2回目検査。発案者が、セシウム、ヨウ素は検出できるが、ストロンチウムの放射性の有無を探知出来ない種類の検査を、松を細かく砕いた上で行う。 なお発案者のサイトに書かれている検査方法を見る限り、ごく一般的な放射性物質の検査方法である(京都市が依頼し、セシウムが検出されたとした検査も同じ場所が行っている)。 ↓ 暫くして発案者側が発表した1回目検査結果(成分分析結果)を説明も無く削除。 ↓ この時点で企画中止やむなしとも思われたが、京都側が陸前高田の人々の思いを尊重し、また無にしない為に独自検査へ。 ↓ ↓ ↓ 8月5日、これら発案者側の、送り火自体への配慮を欠いた運営や、放射能不安を軽視する姿勢、市民の不安の声を考慮した結果中止を発表。 (市に問い合わせたところ、中止を決定した理由について「10ベクレルが検出限界値なので、0かもしれないし9かもしれない。9であれば皆さんに迷惑がかかるので今回は中止にした」との回答。566参照、市役所に問い合わせた人が市から伝え聞いたという保存会の発言) ↓ 8日夜、被災者の気持ちを配慮し、大文字保存会の人間が頭を丸めて現地におもむき、薪を「迎え火」として焚く。
プロジェクト開始は大きく取り上げなかった各マスコミが「被災地の松の使用中止」時点から大々的に取り上げ京都バッシング、経緯を無視した偏った報道を行う。 マスコミが「放射性物質未検出」と伝えた検査が、発案者が行った1回目、2回目の検査、あるいは騒ぎにまぎれて結果が伝わらない、市が独自に行ったと言われる3回目のいずれを指すのか、あるいは全部なのかは未だに不明。
なお、この経緯説明は、マスコミが報道しない、第三者主導のこの企画の杜撰さを述べるものであり、高田松原の松に書かれた、犠牲者への供養の思い、残されたご家族の思いを否定するものではけっしてない。また、郷土の人々の愛した松原の松の重みや意味を否定するものでもない。そして、発案者の当初の善意そのものを否定するものでもない。 ただ、陸前高田の人々の犠牲者への供養の思いと、京都大文字送り火保存会の先祖供養の思いと伝統、これらを軽はずみに結びつけ、杜撰な計画の元に強引に推し進められた企画の推移と、それを綿密な取材をしないまま美談として報道し、騒動後は京都バッシングのみを繰り返すマスコミの偏向報道を紹介するものである。

「7万人の人が自宅を離れて彷徨っている時に国会は一体何をやっているのですか!」衆議院厚生労働委員会より児玉龍彦氏発言全文テキストおこし
2011年07月30日
衆議院厚生労働委員会より、児玉龍彦氏発言部分(2011年7月27日)
(2011年7月27日 (水)におこなわれた衆議院厚生労働委員会より、児玉龍彦氏(東京大学先端科学技術研究センター教授 東京大学アイソトープ総合センター長)の発言部分をテキスト起こししたものです。)
私は東京大学アイソトープ総合センター長の児玉ですが、3月15日に大変に驚愕いたしました。私ども東京大学には27か所のアイソトープセンターがあり放射線の防護とその除染などの責任を負っております。私自身は内科の医者でして東大病院の放射線施設の除染などに、ずっと数十年かかわっております。

3月15日午前9時ごろ東海村で5μシーベルトという線量を経験しまして、それを第10条通報という文科省に直ちに通報いたしました。その後、東京で0.5μシーベルトを超える線量が検出されました。これは一過性に下がりまして、次に3月21日に東京で雨が降り、0.2μシーベルト等の線量が降下し、これが今日に至るまで高い線量の原因になっていると思っています。

それでこの時に枝野官房長官が「さしあたり健康にあまり問題はない」という事をおっしゃいましたが、私はその時にこれは大変な事になると思いました。

何故かというと現行の放射線の障害防止法というのは、高い線量の放射線物質が少しあるものを処理することを前提にしているのです。この時は総量はあまり問題ではなくて、個々の濃度が問題になります。

ところが今回の福島原発の事故というのは、100キロメートル圏で5μシーベルト、200キロメートル圏で0.5μシーベルト、更にそれを超えて足柄から静岡のお茶まで及んでいる事は、今日みなさん全てがご存じの通りであります。

我々が放射線障害を診る時には、総量をみます。それでは東京電力と政府は一体今回の福島原発の総量がどれくらいであるか? はっきりした報告は全くされておりません。

そこで私どもはアイソトープセンターのいろいろな知識を基に計算してみますとまず、熱量からの計算では、広島原爆の29.6個分に相当するものが漏出しております。ウラン換算では20個分の物が漏出していると換算されます。

更に恐るべきことには、これまでの知見で原爆による放射線の残存量と原発から放出された物の放射線の残存量は、一年に至って原爆が1000分の1程度に低下するのに対して原発からの放射線汚染物は10分の1程度にしかならない。

つまり今回の福島原発の問題は、チェルノブイリと同様、原爆数十個分に相当する量と原爆汚染よりもずっと多量の残存物を放出したという事が、まず考える前提になります。

そうしますと、我々システム生物学というシステム論的に物を見るやり方でやっているんですが現行の総量が少ない場合には、ある人にかかる濃度だけを見ればいいです。

しかしながら、総量が非常に膨大にありますと、これは粒子です。粒子の拡散は、非線形という科学になりまして、我々の流体力学の計算でも最も難しいことになりますが、核燃料というのは要するに砂粒みたいなものが合成樹脂みたいな物の中に埋め込まれています。これがメルトダウンして放出するとなると細かい粒子が沢山放出されるようになります。

そうしたものが出てまいりますと、どういうことが起こるかというのが、今回の稲藁の問題です。例えば、

岩手の藤原町では稲藁 57000ベクレル/kg
宮城県の大崎 17000ベクレル/kg
南相馬市 10万6千ベクレル/kg
白河市 97000ベクレル/kg
岩手 64000ベクレル/kg

ということで、この数値というのは決して同心円上にはいかない。どこでどういうふうに落ちているかは、その時の天候、それから、その物質が例えば水を吸い上げたかどうか。それで、今回の場合も私は南相馬に毎週末700km行って、東大のアイソトープセンター、現在まで7回の除染をやっておりますが、南相馬に最初に行った時には1台のガイガーカウンターしかありません。

農林省が通達を出したという3月19日には、食料も水もガソリンも尽きようとして南相馬市長が痛切な訴えをウェブに流したのは、広く知られているところであります。

そのような事態の中で、通達1枚出しても誰も見ることが出来ないし誰も知ることができません。稲藁がそのような危険な状態にあるという事は、まったく農家は認識されていない。農家は飼料を外国から買って、何十万円という負担をおって、さらに牛にやる水は実際に自分たちと同じ地下水を与えるように、その日から変えています。

そうすると、我々が見るのは何をやらなければいけないかというとまず、汚染地で徹底した測定が出来るように
するという事を保証しなくてはいけません。我々が5月下旬に行った時、先ほど申し上げたように1台しか南相馬に無かったというけれど、実際には米軍から20台の個人線量計がきていました。しかし、その英文の解説書を市役所の教育委員会で分からなくて、我々が行って教えてあげて実際に使いだして初めて20個の測定が出来るようになっている。これが現地の状況です。

そして先程から食品検査と言われていますが、ゲルマニウムカウンターというものではなしに今日ではもっと、イメージングベースの測定器というのが遥かに沢山、半導体で開発されています。

何故、政府はそれを全面的に応用してやろうとして全国に作るためにお金を使わないのか。3か月経ってそのような事が全く行われていない事に、私は満身の怒りを表明します。


第2番目です。
私の専門は、いわゆる小渕総理の時から内閣府の抗体医薬品の責任者でして、今日では最先端研究支援というので、30億円をかけて抗体医薬品にアイソトープをつけて癌の治療にやる。すなわち人間の体の中にアイソトープを打ち込むという仕事が私の仕事ですから、内部被曝問題に関して一番必死に研究しております。そこで内部被曝がどのように起きるかという問題を説明させていただきます。

内部被曝というものの一番大きな問題は癌です。癌はDNAの切断が行われることによって起きます。ただし、ご存じのとおりDNAというのは二重らせんですから、二重らせんの時には非常に安定的です。これが、細胞分裂をする時は、二重らせんが1本になって、2倍になり4本になります。この過程のところが、物凄く危険です。そのために妊婦の胎児、それから幼い子供、成長期の増殖が盛んな細胞に対しては放射線障害は非常な危険を持ちます。

さらに大人においても増殖が盛んな細胞、たとえば放射性物質を与えると髪の毛、貧血、それから腸管上皮のこれらはいずれも増殖分裂が盛んな細胞でして、そういうところが放射線障害の「いろは」になります。それで私どもが内部に与えた場合に具体的に起こるので、知っている事例を上げます。

これは実際には、1つの遺伝子の変異では癌は起こりません。最初の放射線のヒットが起こった後にもう1個の別の要因で癌の変異が起こるという事。これはドライバーミューテーションとかパッセンジャーミューテーションとか細かい事になりますが、それは参考の文献を後ろに付けてありますので、それを後でチェルノブイリの場合やセシウムの場合を挙げてありますので、それを見ていただきますが、まず一番有名なのはアルファ線です。

プルトニウムを飲んでも大丈夫という東大教授がいるというのを聞いて、私はびっくりしましたが、アルファ線はもっとも危険な物質であります。それはトロトラスト肝障害ということで私ども肝臓医はすごくよく知っております。要するに内部被曝というのは、先程から一般的に何ミリシーベルトという形で言われていますが、そういうものは全く意味がありません。

I131は甲状腺に集まります。トロトラストは肝臓に集まります。セシウムは尿管上皮、膀胱に集まります。これらの体内の集積点をみなければ全身をいくらホールボディースキャンやっても全く意味がありません。

トロトラストの場合の、このちょっと小さい数字なんで大きい方は後で見て欲しいんですが、これは実際に、トロトラストというのは造影剤でして、1890年からドイツで用いられ、1930年ごろからは日本でも用いられましたがその後20〜30年経つと肝臓癌が25%から30%に起こるという事がわかってまいりました。

最初のが出てくるまで20年というのは何故かというと最初に、このトロトラスト、アルファ線核種なんですがアルファ線は近隣の細胞を傷害します。その時に一番やられるのはP53という遺伝子です。

我々は今ゲノム科学というので、人の遺伝子を全部配列を知っていますが一人の人間と別の人間は大体300万箇所違います。ですから人間同じとしてやるような処理は今日では全く意味がありません。

いわゆるパーソナルライフメディスンというやり方で、放射線の内部障害をみる時にも、どの遺伝子がやられて、どういう風な変化が起こっているかという事をみるということが原則的な考え方として大事です。

トロトラストの場合は、第一段階ではP53の遺伝子がやられて、それに次ぐ第二第三の変異が起こるのが20〜30年後かかり、そこで肝臓がんや白血病が起こってくるという事が証明されております。

次にヨウ素131。これはヨウ素は皆さんご存じの通り甲状腺に集まりますが、甲状腺への集積は成長期の甲状腺形成期が最も特徴的であり、小児に起こります。

しかしながら1991年に最初ウクライナの学者が、甲状腺癌が多発しているというときに、日本やアメリカの研究者は『Nature』に「これは因果関係がわからない」ということを投稿しております。

何故そんな事を言ったかというと1986年以前のデータがないから、統計学的に有意だという事を言えないということです。しかし、統計学的に有意という事がわかったのは、先程も長瀧先生からお話しがありましたが20年後です。20年後に何がわかったかというと86年から起こったピークが消えたために、これは過去のデータが無くても因果関係があるという事がエビデンスになった。いわゆる、ですから疫学的証明というのは非常に難しくて、全部の事例が終わるまで大体証明できないです。

ですから今、我々に求められている子どもを守るという観点からは全く違った方法が求められます。そこで今行われているのは、ここには国立のバイオアッセイ研究センターという化学物質の効果をみる福島昭治先生という方がずっとチェルノブイリの尿路系に集まるものを検討されていまして、福島先生たちがウクライナの医師と相談、集めて500例以上の前立腺肥大の時に手術をしますと、膀胱もとれてきます。これをみまして検索したところ、高濃度汚染地区、尿中に6ベクレル/リットルという微量ですが、その地域ではP53の変異が非常に増えていて、しかも、その増殖性の前癌状態、我々から見ますとP38というMAPキナーゼとNF-κBというシグナルが活性化されているんですが、それによる増殖性の膀胱炎というのが必発でありまして、かなりの率に上皮内の癌ができているという事が報告されております。

それで、この量に愕然といたしましたのは福島の母親の母乳から2〜13ベクレル、7名で検出されているという事が既に報告されている事であります。

次のページお願いします。

我々アイソトープ総合センターでは現在まで毎週700キロメートル、大体一回4人づつの所員を派遣しまして南相馬市の除染に協力しております。

南相馬でも起こっている事は全くそうでして、20キロ30キロという分け方が全然意味がなくて、その幼稚園ごとに細かく測っていかないと全然ダメです。

それで現在20キロから30キロ圏にバスをたてて1700人の子どもが行っていますが実際には避難その、南相馬で中心地区は海側で学校の7割で比較的線量は低いです。

ところが30キロ以遠の飯館村に近い方の学校にスクールバスで毎日100万円かけて子どもが強制的に移動させられています。このような事態は一刻も早く辞めさせてください。

今その一番の障害になっているのは強制避難でないと保証しないと参議院のこの前の委員会で当時の東電の清水社長と海江田経済産業大臣がそういう答弁を行っていますが、これは分けて下さい。

保障問題とこの線引きの問題と子どもの問題は直ちに分けて下さい。子どもを守るために全力を尽くすことをぜひお願いします。

それからもう一つは現地でやっていますと除染というのの緊急避難的除染と恒久的除染をはっきり分けて考えていただきたい。緊急避難的除染を我々もかなりやっております。たとえばここの図表に出ておりますこの滑り台の下。滑り台の下は小さい子が手をつくところですが、この滑り台に雨水がザーッと流れてきますと毎回濃縮します。

右側と左側とズレがあって、片側に集まっていますと平均線量1μのところだと10μ以上の線量が出てきます。
それで、こういうところの除染は緊急にどんどんやらなくてはいけません。それからこういうさまざまな苔が生えているような雨どいの下。これも実際に子どもが手をついたりしているところなのですがそういうところは、たとえば高圧洗浄機を持って行って苔を払うと2μシーベルトが0.5μシーベルトまでなります。

だけれども0.5μシーベルト以下にするのは非常に難しいです。それは建物すべて、樹木すべて、地域すべてが汚染されていますと空間線量として1か所だけを洗っても全体をやる事は非常に難しいです。

ですから除染を本当にやるという時にいったいどれくらいの問題がかかりどれ位のコストがかかるかという事をイタイイタイ病の一例で挙げますとカドミウム汚染地域、だいたい3000ヘクタールなんですが、そのうち1500ヘクタールまで現在除染の国費が8000億円投入されています。もし、この1000倍という事になれば、いったいどのくらいの国費の投入が必要になるのか。(編注:800兆円)


ですから私は4つの事を緊急に提案したいと思います。

第1番目に国策として食品、土壌、水を日本が持っている最新鋭のイメージングなどを用いた機器を用いてもう半導体のイメージかは簡単です。イメージ化にして流れ作業にしてシャットしていってやるということの最新鋭の機器を投入して抜本的に改善して下さい。これは今の日本の科学技術力で全く可能です。

2番目。緊急に子供の被爆を減少させるために新しい法律を制定して下さい。私が現在やっているのはすべて法律違反です。現在の(放射線)障害防止法では各施設で扱える放射線量、核種等は決められています。

東大の27のそのいろんなセンターを動員して現在南相馬の支援を行っていますが多くの施設はセシウムの使用権限なんか得ておりません。車で運搬するのも違反です。

しかしながら、お母さんや先生たちに高線量のものを渡してくる訳にはいきませんから今の東大の除染ではすべてのものをドラム缶に詰めて東京へ持って帰ってきております。受け入れも法律違反、全て法律違反です。

このような状態を放置しているのは国会の責任であります。全国には例えば国立大学のアイソトープセンターというのはゲルマニウムをはじめ最新鋭の機種を持っているところは沢山あります。そういうところが手足を縛られたままでどうやって国民の総力を挙げて子どもが守れるでしょうか。これは国会の完全なる怠慢であります。

第3番目。国策として土壌汚染を除染する技術を民間の力を結集して下さい。これは、たとえば東レだとかクリタだとかさまざまな化学メーカー。千代田テクノルだとかアトックスというような放射線除去メーカー。それから竹中工務店なんか様々なところは放射線の除染などに対してさまざまなノウハウを持っています。
こういうものを結集して現地に直ちに除染研究センターを創って実際に何10兆円という国費がかかるのをいまだと利権がらみの公共事業になりかねない危惧を私すごく持っております。

国の財政事情を考えたらそんな余裕は一瞬もありません。どうやって除染を本当にやるか。7万人の人が自宅を離れて彷徨っている時に国会は一体何をやっているのですか。以上です。

会見に官房長官も同席しない「暴走政権」菅首相を止めるには、小泉元首相も恐れた党代表解任か、海江田・与謝野大臣の追及か
与謝野大臣は筋金入りの原発推進論者。
円高は震災後の日本経済に打撃を与える。これは日銀・政府の無策ぶりを示すが、それだけでも与謝野経済財政担当相は重罪だ。それに原発擁護ともなれば、菅政権が脱原発依存をいう前に、脱与謝野が必要だ。

那須塩原 会津若松 猪苗代 日光・・・消えた観光客「誰も来ない」この現実を見よ
2011年07月18日
「震災から3ヵ月が経ち、ようやく復興への道筋が見えてきた」。
福島や栃木の観光業者は、この言葉を聞くたびに怒りに震える。
観光地の惨状を知れば、こんな言葉は容易に口に出来なくなる。

旅館がどんどん潰れていく。
「お客さんが来ないので、新しく土産物を入荷しても意味がない。だから入荷を止めているんです。それで店内ががらんとしているんです。経営はジリ貧。」

 福島県にとって観光業がどれほど重要な産業であるかは、あまり知られていない。
福島のコメの出荷量は全国4位を誇り、その年間出荷額は948億円。
だが、2011年度版「観光白書」によれば、福島県の観光消費額は四半期だけで約897億円と、コメの年間出荷額とほぼ同等。

 福島の観光地にとって特に致命的だったのが、修学旅行客のキャンセルが相次いだことだ。この地域は北海道や東北地方の学校にとって修学旅行の定番だったのだが、今年は例年と比べて9割減といったところ。震災前、宮城からは約160校が訪れる予定でしたが、5月から7月の間で、わずか4校にまで激減した。

 東日本大震災によって日本の観光業が受けた被害は、並ではない。観光庁が発表した旅行取扱額を見ると、3月分だけで対前年比約1270億円の減少。4月分は約1000億円の減少で、5月までの3ヵ月だけで3000億円以上の減少が見込まれている。しかも、これは旅行業者を経由した金額で、個人の旅行は含まれない。これも含めれば、わずか3ヵ月で5000億円程度落ち込んだ可能性がある。

「放射能の影響でしょう、外国からのお客さんがまったく来なくなりました。欧米系の個人客が前年比で90〜95%減です。」  日光温泉旅館協同組合の理事長・根本芳彦氏がこう嘆息するように、震災後、観光地から外国人観光客がパッタリと姿を消した。
 韓国の大手旅行代理店・ハナツアーによると、7月から8月にかけて韓国から日本を訪れる観光客は前年より69.4%も減少する見込みだという。
「韓国の外交通商部が福島県と宮城県および岩手県沿岸地域を『旅行自制地域』とし、さらに茨城県全域も旅行する際には注意するようにという警報を出している」

 京都大学原子炉実験所の小出裕章助教は
「放射線の影響を受けにくい大人がこうした観光地に足を運び、少しでも復興の手助けをするべきでは」と提言する。
「放射線の影響というのは年齢とともに少なくなっていき、50歳では30歳に比べて実に50分の1程度まで低下しますから、放射線の影響はほとんどなくなると言えます。米国のデータによると、放射線被曝によるがんの死者数を比べた場合、50歳の死者数は30歳の50分の1にまで低下するのです。ですから50代以上の人は、福島や栃木などの観光地に足を運んでも問題ないでしょう」

横粂氏が菅首相地元で不信任案再提出訴え
2011年7月16日
6月の内閣不信任決議案に賛成票を投じ、民主党を除名された横粂勝仁衆院議員(29)が15日、菅首相の地元、東京・府中市内で集会を開き、不信任決議案の再提出を訴えた。

退陣を表明しながら居座り続ける首相を
「被災者を人質に取って政界をハイジャックしている」
と批判。

7月中の再提出へ「必ず賛同者50人を集めます」とぶち上げ、拍手を浴びた。

首相釈明に志位氏「資質問われる」
2011.7.16
 共産党の志位和夫委員長は16日都内で講演し、菅直人首相が脱原発表明を「私的な思い」と釈明したことについて、「こんな無責任な首相はいない。政治家としての資質が根本から問われる」と厳しく批判した。

 同時に「これからは菅首相が何を言っても『それはあなた個人の見解ですか』と確認しなければ、話が先に進まない」と指摘。「内閣として原発撤退に取り組む意志はないと言ったに等しい」とも述べた。

中国
人民元の変動相場制への移行ははたして可能か???

松本龍
「今の部分はオフレコな。書いた社はこれで終わりだから」


【イタリア】拘束された日本人2人、所持していた13兆円分「米国債」

情報を隠蔽、兵站を軽視し、責任は側近に。 官邸の原発事故対応は大本営と同じ
2011年06月21日
〜〜 自費で10万円を払って増血幹細胞を事前採取する原発作業員 〜〜

菅直人首相は、原発作業員を戦争中の特攻隊と同様に扱っている。
祖国のために命を捨てろというだけで、何の支援もしない。

サイパンやガダルカナルで、十分な食料や燃料や武器弾薬もなく戦わされた日本軍兵士と、ビフテキを食べて潤沢な武器弾薬で戦闘に従事したアメリカ軍兵士を比較してみればよい。

大和魂、精神力だけでは勝てない。兵站が重要である。
大日本帝国陸軍は兵站を軽視した。だから敗北した。

今でも、多くの日本の組織がこの兵站の重要性を理解していない。その典型が菅内閣である。これでは、震災、原発事故と戦えない。

ブログ、敦賀市長:金が入るなら50年後、100年後の子孫たちがカタワモンになっても構わん! 敦賀市民:大拍手より、
1983年1月26日に石川県羽咋郡志賀町で開かれた「原発講演会」(地元の広域商工会主催)での当時の高木孝一敦賀市長の言葉。
只今ご紹介頂きました敦賀市長、高木でございます。えー、今日は皆さん方、広域商工会主催によります、原子力といわゆる関係地域の問題等についての勉強会をおやりになろうということで、非常に意義あることではなかろうか、というふうに存じております。

…ご連絡を頂きまして、正しく原子力発電所というものを理解していただくということについては、とにもかくにも私は快くひとつ、馳せ参じさせて頂くことにいたしましょう、ということで、引き受けた訳でございます。

……一昨年もちょうど4月でございましたが敦賀1号炉からコバルト60がその前の排出口のところのホンダワラに付着したというふうなことで、世界中が大騒ぎをいたした訳でございます。私は、その4月18日にそうしたことが報道されましてから、20日の日にフランスへ行った。

いかにも、そんなことは新聞報道、マスコミは騒ぐけれど、コバルト60がホンダワラに付いたといって、私は何か(なぜ騒ぐのか)、さっぱりもうわからない。そのホンダワラを1年食ったって、
規制量の量(放射線被曝のこと)にはならない。そういうふうなことでございまして、4月20日にフランスへ参りました。

事故が起きたのを聞きながら、その確認しながらフランスへ行ったわけです。ところがフランスまで送られてくる新聞には毎日、毎朝、今にも世の中ひっくり返りそうな勢いでこの一件が報じられる。止むなく帰国すると、“悪るびれた様子もなく、敦賀市長帰る”こういうふうに明くる日の新聞でございまして、実はビックリ。

ところが敦賀の人は何食わぬ顔をしておる。ここで何が起こったのかなという顔をしておりますけれど、まあ、しかしながら、魚はやっぱり依然として売れない。あるいは北海道で採れた昆布までが…。敦賀は日本全国の食用の昆布の7〜8割を作っておるんです。が、その昆布までですね、敦賀にある昆布なら、いうようなことで全く売れなくなってしまった。

ちょうど4月でございますので、ワカメの最中であったのですが、ワカメも全く売れなかった。まあ、困ったことだ、嬉しいことだちゅう…。そこで私は、まあ魚屋さんでも、あるいは民宿でも100円損したと思うものは150円貰いなさいというのが、いわゆる私の趣旨であったんです。100円損して200円貰うことはならんぞ、と。本当にワカメが売れなくて、100円損したんなら、精神的慰謝料50円を含んで150円貰いなさい、正々堂々と貰いなさいと言ったんですが、そうしたら出てくるわ
出てくるわ、100円損して500円欲しいという連中がどんどん出てきたわけです(会場爆笑、そして大拍手?!)。

100円損して500円貰おうなんてのは、これはもう認めるもんじゃない。原電の方は、少々多くても、もう面倒臭いから出して解決しますわ、と言いますけれど、それはダメだと。正直者がバカをみるという世の中を作ってはいけないので、100円損した者には150円出してやってほしいけど、もう面倒臭いから500円あげるというんでは、到底これは慎んでもらいたい。まあ、こういうことだ、ピシャリとおさまった。

いまだに一昨年の事故で大きな損をしたとか、事故が起きて困ったとかいう人は全く一人もおりません。まあ言うなれば、率直に言うなれば、一年一回ぐらいは、あんなことがあればいいがなあ、そういうふうなのが敦賀の町の現状なんです。笑い話のようですが、もうそんなんでホクホクなんですよ。

…(原発ができると電源三法交付金が貰えるが)その他に貰うお金はお互いに詮索せずにおこう。キミんとこはいくら貰ったんだ、ボクんとこはこれだけ貰ったよ、裏金ですね、裏金!まあ原子力発電所が来る、それなら三法のカネは、三法のカネとして貰うけれども、その他にやはり地域の振興に対しての裏金をよこせ、協力金をよこせ、というのが、それぞれの地域である訳でございます。

それをどれだけ貰っているか、を言い出すと、これはもう、あそこはこれだけ貰った、ここはこれだけだ、ということでエキサイトする。そうなると原子力発電所にしろ、電力会社にしろ、対応しきれんだろうから、これはお互いにもう口外せず、自分は自分なりに、ひとつやっていこうじゃないか、というふうなことでございまして、例えば敦賀の場合、敦賀2号機のカネが7年間で42億入ってくる。

三法のカネが7年間でそれだけ入ってくる。それに「もんじゅ」がございますと、出力は低いですが、その危険性……、うん、いやまあ、建設費はかかりますので、建設費と比較検討しますと入ってくるカネが60数億円になろうかと思っておるわけでございます…(会場感嘆の声と溜息がもれる)。

…で、実は敦賀に金ケ崎宮というお宮さんがございまして(建ってから)随分と年数が経ちまして、屋根がボトボトと落ちておった。この冬、雪が降ったら、これはもう社殿はもたんわい、と。今年ひとつやってやろうか、と。そう思いまして、まあたいしたカネじゃございませんが、6000万円でしたけれど、もうやっぱり原電、動燃へ、ポッポッと走って行った(会場ドッと笑い)。あっ、わかりました、ということで、すぐカネが出ましてね。

それに調子づきまして、今度は北陸一の宮、これもひとつ6億で修復したいと、市長という立場ではなくて、高木孝一個人が奉賛会長になりまして、6億の修復をやろうと。

今日はここまで(講演に)来ましたんで、新年会をひとつ、金沢でやって、明日はまた、富山の北電(北陸電力)へ行きましてね、火力発電所を作らせたる、1億円寄付してくれ(ドッと笑い)。これで皆さん、3億円既に出来た。こんなの作るの、わけないなあ、こういうふうに思っとる(再び笑い)。

まあそんな訳で短大は建つわ、高校は出来るわ、50億円で運動公園は出来るわね。火葬場はボツボツ私も歳になってきたから、これも今、あのカネで計画しておる、といったようなことで、そりゃあもうまったくタナボタ式の街づくりが出来るんじゃなかろうか、と、そういうことで私は皆さんに(原発を)お薦めしたい。これは(私は)信念を持っとる、信念!

……えー、その代わりに100年経って片輪が生まれてくるやら、50後に生まれた子供が全部片輪になるやら、それはわかりませんよ。わかりませんけど、今の段階では(原発を)おやりになった方がよいのではなかろうか…。こいうふうに思っております。どうもありがとうございました。
(会場、大拍手)

特集・「原発マネー」40年(1)パイオニアの不満 恩恵に落差 細る財政
福井新聞2010年5月25日
 国内初の加圧水型軽水炉として関西電力美浜原発1号機が立地し、11月で運転開始40年となる美浜町。「トップランナーはいろんな面で苦労がある」。山口治太郎町長の胸中には自負心と不満が複雑に絡まっている。
 理由の一つは、電力の安定供給を目指し、原発を立地した自治体などに交付される「電源三法交付金」にある。
 同制度が創設されたのは1974年度。美浜1、2号機はそれ以前から稼働を始めたため、原発の設置工事から運転開始5年後まで配分される交付金を受けられなかった。交付期間が「運転開始5年後まで」とされたのは80年度からで、76年度に運転開始の美浜3号機に対しても、交付は74〜76年度の3年のみ。総額は6億5700万円で“満額支給”された大飯3、4号機の98億7300万円に遠く及ばない。
 1月、敦賀市で開かれた増子輝彦経済産業副大臣との意見交換会で、山口町長はこう漏らした。「マラソンに例えると、ペースメーカーが良い記録を出しても記録として認められないのと同じ」
  ■  ■  ■
 美浜原発の総出力が他の原発より低い点も格差の一因だ。交付金の多くは出力を基に配分額が算出される。また、事業者から町に入る固定資産税額の多寡にも影響する。
 美浜の3基の合計出力は166・6万キロワット。高浜の4基の339・2万キロワット、大飯の4基の471万キロワットとは大きな差がある。同じく先行立地した敦賀市は4基の出力合計こそ196・2万キロワットと少ないものの、高速増殖炉「もんじゅ」に関連した各種交付金は膨大な額だ。
 この差は、財政力の違いとして表れている。2008年度の美浜町の財政力指数(3カ年平均)が0・79。原発のない県内5町は0・45以下だが、高浜町1・01、おおい町1・11、敦賀市1・14に比べれば見劣りする。山口町長は「初めから大きい原発を造るわけにいかなかった。3基も立地していながら美浜町の指数が1を超えたのは3年だけ」と嘆く。
  ■  ■  ■
 交付金を元手に建てたハコモノの維持管理費が膨らみ、財政が硬直化しているのは高浜町だ。電源三法交付金が加味されていない数字とはいえ経常収支比率は08年度で99・5%まで悪化した。野瀬豊町長は「年間の交付金約17億円のうち、投資的な部分に使えるのは4億円ほど」と苦しい台所事情を説明する。
 義務的経費の縮減を目指し、同町は行政機能を集約するコンパクトシティー構想を進める。公共下水と集落排水の統廃合、道の駅シーサイド高浜の運営管理の民間移行などスリム化に懸命に取り組むが、原発依存からの脱却は容易でない。「いったんメタボリック体質になったら、ダイエットの努力はするが絶食はできない」と野瀬町長は皮肉交じりにたとえる。
 「原発への依存体質」を問われ山口町長は、自動車など製造業の工場誘致を例に挙げ「原発だけが問われる理由が分からない」と反問する。野瀬町長ともども「原発は地場産業」と語る。
 さまざまな恩恵が先細る中、古い原発は廃炉にして新たに増設するリプレースを視野に入れる点でも両町は同じ。「ポスト原発は原発で」ということだ。

豪華なハコモノ群
維持管理かさむ負担
強まる交付金依存

 北陸自動車道敦賀インターチェンジ付近の山あい近く、豪華な外観が目を引く温泉施設「リラ・ポート」。敦賀市が2002年に建設した。「天然温泉が特に好評で、毎日来る常連客も多い」と小野川昭弘営業支配人。09年度は22万3千人が利用した。
 建設財源には電源三法交付金が充てられ、1998〜02年度に24億3千万円が投入された。
 ただ、オープン以来、経営は赤字続き。料金を計画段階より引き下げて営業を始めたことも影響したという。市は09年度に指定管理者制度を導入したが、それまでの累積赤字は7億2400万円に膨らんでいた。
 市観光まちづくり課は、市民をはじめ年間20万人以上が利用する点を挙げ「公共施設の中では良い施設だと思う」。小野川さんは人件費圧縮などの営業努力を強調する。
■  ■  ■
 野球場や総合体育館、テニスコートを備える美浜町総合運動公園、おおい町の海洋レジャー施設「うみんぴあ大飯」、温浴施設やレストランを完備する道の駅シーサイド高浜…。リラ・ポートに限らず、原発の立地市町には豪華な施設が立ち並ぶ。
 海、湖といった嶺南の豊かな自然や、自治体の規模とは不釣り合いとも思える“ハコモノ群”。財政的な基盤となっているのは、35年間で3041億円がもたらされた電源三法交付金、本県が全国に先駆け76年度に創設した核燃料税などの「原発マネー」だ。
 道路、保育所、公民館、キャンプ場など暮らしに密着した施設やインフラにも使われた。しかし、原子力資料情報室の西尾漠共同代表は「交付金がなくなってもやっていける町づくりを進めるべきだったが、実際には目先のことに使われ続けてきた」と批判する。施設の赤字や維持管理費は財政的負担として重くのしかかるが、西尾さんは「必然だ」と手厳しい。
 ハコモノ行政を助長したのは、交付金の使途が03年度の制度改正まで公共施設や道路の整備などハード事業に限定されていたから。それでも、野瀬豊高浜町長は「他の自治体から見ると浮世離れしたことに使っている面はあった」と認める。
■  ■  ■
 交付金が産業や地域の自立を促すより、むしろ依存度が強まる傾向にある。
 県は10年度、受け取る資格を持ちながら06年度の創設以来“封印”してきた核燃料サイクル交付金と原子力発電施設立地地域共生交付金の活用に乗り出す。高浜町など地元の強い要望を受けての措置だ。数年間で総額160億円の交付を見込んでいる。
 両交付金をはじめ、電源三法制度は交付金の新設と統合を繰り返し、現在は19種類からなる。県電源地域振興課の清水英男課長は「交付金は何の理屈もなく創設されているわけではなく、プルサーマル計画の推進などそれぞれ意味がある」と説明し、安易な依存ではないとする。
 しかし、原発反対県民会議の吉村清代表委員はこう批判する。「カネをもらえば何でも引き受けるという『たかりの構図』。原発マネーは麻薬みたいなものだ」

特集・「原発マネー」40年(2)町政と不可分の関係 熱帯びる増設待望論
福井新聞2010年5月26日
 関西電力が1月開いた美浜町民との懇談会で、地元からは11月に運転開始から40年となる美浜原発1号機に意見が集中した。「あと何年動かすのか」といった声に加えて「技術的には大丈夫と思うが、古いものは不安。新設を考えて」。廃炉と新設を並行して進めるリプレース(置き換え)待望論も相次いだ。
 オブザーバーとして参加していた山口治太郎町長は、区長や各種団体代表が声を上げる姿に「増設問題が町内でここまで浸透しているのか」と目を見張った。「原子力を進めてきた町のことを関電は真摯に考えるべきだろう」と、増設の必要性を再認識した。
  ■  ■  ■
 美浜原発増設をめぐっては2001年、町商工会などが提出した増設推進の請願・陳情を美浜町会が採択。地元として増設を求める意思をいち早く鮮明にしてきた。背景となっている理由は、町の財政の推移から読み取ることができる。
 町の歳入を決算額でみると、1号機運転に伴う固定資産税が入り始めた1971年度には前年度の5億7千万円から10億6千万円へとほぼ倍増。3号機運転開始後の77年度には関電からの税収が14億1千万円に上り、歳入は32億円に増えた。71年度以降、93、94年度を除き関電からの税収は町税総額の半分以上を占め続けている。
 ただ、固定資産税は設備の減価償却により目減りし、77年度以降は徐々に減少。3基で蒸気発生器を交換するという大型工事を受け95年度以降にいったん増加したものの、98年度の21億7千万円をピークに関電からの税収は再び下降線をたどっている。増設すればまた新たな税収や電源三法交付金が見込めるというわけだ。
  ■  ■  ■
 町民は半世紀近く、原発と共生してきた。働き盛りの町民の3分の1は原発関係の仕事に従事。小中学校や公民館、体育館など町の公共施設の多くは電源三法交付金で造られた。わかさ東商工会の野瀬成夫美浜地区会長は「原発がなくなっていくと、町の方向付けが狂う」と語る。
 「1号機の誘致当初は25年ぐらいの運転しか考えていなかった。せいぜい30年。その後は更地にして返す予定だった」と山口町長は振り返る。営業運転開始から11月で40年を迎え、町の発展と原発の存在は切っても切れない関係になった。関電の想定する50年運転、さらにはリプレースが実現すれば、関係はより強まることになる。
 反原発グループ「若狭連帯行動ネットワーク」メンバーの松下照幸元町議は「増設は問題外。美浜3号機の死傷事故で町民の安全意識は高まったはず。地域振興に役立つと言っても、3基も造れば普通は増設は望まない」とこれ以上の依存に警鐘を鳴らす。
 関電の原発では、美浜に続いて高浜1、2号機が数年後には運転40年を迎える。野瀬豊高浜町長は取材に対し「リプレース(置き換え)を視野に入れる必要がある」と打ち明けた。美浜町の動向は行方を占う一つの試金石となりそうだ。

特集・「原発マネー」40年(3)万一のリスク同じでも… 周辺と立地 差は歴然
福井新聞2010年5月27日
 小浜市の内外海半島先端に位置する泊区。海を挟んで大飯原発が肉眼ではっきりとらえることができる。50代の男性は住民の気持ちを代弁するようにつぶやいた。
 「おおい町に原発のお金が落ちても、小浜市には少ししか落ちない。小浜市に落ちても泊には落ちない。万一の事故が起きたとき(の被害)は同じなのに…」
 おおい町中心部の本郷地区から大飯原発までの距離は約8キロ。これに対し泊区からは4キロ余り。だが、電源三法制度では距離に関係なく、おおい町は「立地」、小浜市は「周辺」と厳格に色分けされる。
 この差は、国からの電源三法交付金、県からの核燃料税交付金の配分額にも反映される。小浜市への交付は累計総額86億円、おおい町は387億円。先の男性は「小浜は原発誘致を選択しなかったが、不合理さは感じる」と漏らす。
  ■  ■  ■
 10年近く前、財政難を解決する方策として小浜市では、使用済み核燃料の中間貯蔵施設を誘致しようとする動きが市会を中心に起きた。2004年の市長選では、誘致に反対する当時の現職村上利夫市長に推進派の市議が挑み、大きな争点となった。結局、推進派は敗れ、誘致話は消えた。
 00年に市長になった村上氏は、かつて「御食国(みけつくに)」と呼ばれた小浜の歴史に着目し、「食」をテーマにした施策を全国に先駆けて展開。食のまちづくり条例の制定や御食国若狭おばま食文化館建設、若狭路博開催などに取り組んだ。その後、同市も舞台となったNHK連続テレビ小説「ちりとてちん」の効果も重なり、観光客は増加した。
 村上氏は、原発そのものを否定したわけではなく「原発は現に周辺にあり、共存共栄という考えは一貫していた」と振り返る。その上で原発関連施設の誘致に頼らないまちづくりを進めた理由を「まちづくりは歴史や文化、自然などを生かさなければ個性あるものはできないし、定着しない」と説明する。
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 08年に初当選した松崎晃治市長も基本的な路線を継承する。「食のまちづくりを経済、産業面に波及させ、ステップアップしていく必要がある」とし、4月に第三セクター「株式会社まちづくり小浜(おばま観光局)」を設置して、観光振興や経済活性化に本腰を入れ始めた。
 米大統領選では市と同名のオバマ氏を応援する運動が国内外で注目を集めた。「お金がないと知恵が出てくる」と松崎市長。行財政改革も進め、職員数はピーク時の65%にまで減らした。08年度決算では実質単年度収支が5年ぶりに黒字転換した。
 それでも、気にかかるのは、豊かな財政を背景にした立地市町の住民サービスとの格差だ。例えば、子どもの医療費が高浜、美浜両町は中学卒業まで、おおい町は小学卒業まで無料。小浜市は現在、未就学児までだが市民の要望も強く、引き上げを検討している。
 「非常に苦労して原発を誘致したことは理解しているが、万一のときは同じ。原発からの距離を交付金などにもう少し配慮してもらえれば…」。松崎市長の偽らざる本音だ。

特集・「原発マネー」40年(4)相次ぐ巨額寄付 匿名、チェック届かず
福井新聞2010年5月28日
 敦賀港近くに建つ赤レンガ倉庫は、港町の歴史を象徴する明治期の建造物だ。敦賀市の所有となったのは2003年5月。日本原電が土地と建物を約4億円で地元の保有者から買い取り、そっくりそのまま市に寄付した。
 寄付により貴重な文化遺産は市民の財産になった。しかし、今大地晴美市議は「電力事業者から有形無形の寄付を受けることで、原発の存在に対して市民は何も言えなくなる」と複雑な思いだ。
 寄付をした原電は、出力が世界最大級の敦賀原発3、4号機の増設計画を進めてきた。02年12月、県と敦賀市が安全審査入りを事前了解し、04年3月には増設を了承。同7月から準備工事に入った。こうした動きと重なり合うかのように、敦賀市のほか周辺市町村に巨額の寄付が相次いだ。
   ■  ■  ■
 03年から05年にかけ、旧河野村へ12億円、旧越前町は8億円、旧三方町3億円、旧今庄町1億5千万円…。いずれも原電の寄付とみられるが、ほぼすべてが匿名扱いだ。敦賀市は05年に原電から20億円の寄付を受けた事実は明らかにしたが、ほかにもある億単位の寄付は未公表だ。
 関西電力からも02年度に美浜町へ10億円、05年度に旧大飯町へ9億円など、たびたび巨額の寄付が明らかになっている。同社は「地域との共生の観点から必要に応じて適切な協力を行っている」と一般論として寄付を認める一方、「相手方との関係や業務への影響を考慮し公表はできない」とする。
 自治体も電力事業者も互いに「相手の意向」を理由に詳細を明かさない寄付行為。一般の目の届かない“ブラックボックス”状態にある。
 県のエネルギー研究開発拠点化計画の骨子案作りを担当した堀照夫福井大副学長は「原発は地元に迷惑や不安を与えているのだからそれなりの見返りはあるべきだが、不透明なやり方は好ましくない。なぜ明確にできないのか」と疑問を投げかける。
   ■  ■  ■
 電力事業者からの寄付は古くから、さまざまな形で行われてきた。美浜1号機の建設当時を知るベテラン町議は「地元との合意として、いろんな名目の協力費があった」と明かす。
 行政側が強く“要請”した場合も少なくない。JR小浜線の電化や、北陸線の敦賀までの直流化事業では、県がそれぞれ民間に負担を求め、ともに関電、原電、北陸電力の3社が合計数十億円の寄付に応じた。
 また、関電の若狭たかはまエルどらんど(高浜町)、日本原子力研究開発機構のアクアトム(敦賀市)などのPR館のように、地元が望む施設を事業者が造る例もある。工費はそれぞれ数十億円。集客に加え、地元には建設自体による経済メリットがある。
 寄付は電力事業者にとって重荷となるが、「電力料金に跳ね返り、ツケを回されるのは消費者」との指摘もある。例えば関電は、寄付金に充てる予算を営業費用の「諸費」として支出。「公益事業者として経営活動に必要な費用であり、料金原価に算入している」と説明する。
 電気料金には電源三法交付金の原資となる電源開発促進税が上乗せされている。県が課税する核燃料税も、電力料金に転嫁されうる。寄付を含めれば、消費者にとっては二重取り、三重取りだ。

特集・「原発マネー」40年(5)迷惑施設か共生か 自己努力の振興探る
福井新聞2010年5月29日
 河瀬一治敦賀市長「庁舎にかかる経費や人件費に充てられるようにしてもらいたい」
 山口治太郎美浜町長「起債の償還金にも充当できるように」
 電源三法交付金の一つ、電源立地地域対策交付金をめぐり1月、敦賀市で開かれた経済産業省との意見交換会で、地元首長からは自治体の裁量拡大に期待の声が相次いだ。政府の事業仕分けで、使途の自由化を含め「見直す」と判定されたからだ。
 交付金は、立地地域の振興や住民生活の利便性向上につながる「目に見える形」であるべきだとの考え方から、2003年度まではハード事業に限定されていた。人件費や借金返済にも使えるようになれば交付金が限りなく一般財源に近づき、本来の目的から変容してしまうとの懸念があった。
 しかし、おおい町の時岡忍町長は「『何に使ってもよい』というのが最も地域の活性化につながる」とし、むしろ一般財源に近づけるべきだと訴える。嶺南の市町長に共通した思いだ。
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 「原発は迷惑施設」。昨年の事業仕分けでは、経済産業省側からも仕分け人からも、あからさまな表現が乱れ飛んだ。交付金とは原発立地地域の“負担”と消費地の“受益”のバランスを取るための措置、つまりは「迷惑料」との位置付けが鮮明にされた。
 原発を抱える県内の自治体はかねがね「原子力と地域の共生」を強調するが、そうした理念とは対極的な議論だった。
 原子力資料情報室の西尾漠共同代表は「『迷惑施設には(国は)カネを出せばいい』という考えだ」と批判。原発反対県民会議の吉村清代表委員も「交付金がどれだけ地域振興につながっているのか」と厳しい目を向ける。
 負担に見合う地域振興がなされていないとの立地地域の根強い不満は、電力の消費地に対してだけでなく、嶺北との格差にも向けられる。
 「嶺南の貢献で入った税金や交付金、核燃料税は嶺北のハコモノ建設にも多く使われている。確かに人口の比率などでみれば嶺南の配分割合は低くなるのかもしれないが、長い歴史の中で苦労してきた地元に適正に配分されているのか、県としての使途、配分に疑問を感じる」  美浜町で原発の運転が始まった同じ時期に、地元に生まれ育った男性(39)は、多くの住民の思いを代弁するようにこう訴える。問題の本質は、一極集中した負担と不十分な受益とのアンバランス、地域経済のありようといった「沖縄の基地問題にも相通じるナイーブな問題」というのだ。
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 県立大地域経済研究所が3月にまとめた「原子力発電と地域経済の将来展望に関する研究」結果では、立地地域では電源三法交付金などによる財政効果が大きかったとしながらも、期待された製造業の発展は見られなかったと分析している。
 こうした現実、反省から県が05年から進めるのがエネルギー研究開発拠点化計画。レーザー、センサー、ロボットなど幅広い原子力関連技術を県内企業に移転しての産業育成や、人材育成の拠点づくりなどを模索する。「迷惑施設というイメージを一新し、地域に活力を呼ぶための自己努力」(西川知事)だという。
 原発マネーをてこにしつつ、過度の依存からは脱却しようとする試みが根を下ろすか。地域の将来像をどう描くかという問題と不可分だ。

<中国人が見た日本>日本への義援金、なぜ台湾が世界で最も多かったのか?
2011年6月16日(木)(RecordChina)
中国のジャーナリスト、王錦思氏はブログに「台湾はなぜ日本の震災への義援金が世界一多かったのか?」と題した記事を掲載した。

未曽有の大震災に見舞われた日本に、中国を始めとする国際社会が次々と支援の手を差し伸べ、気前よく懐のカネを出した。だが、多くの中国人にとって想定外だったのは、台湾からの義援金が140億円にも達し、世界で最も多かったことだ。

5月初め、筆者は東京で台湾の友人数人と会い、この件について聞いてみた。彼らは率直に「中国本土の文化と比べ、台湾は日本文化に近いからだ」と答えた。すべては心からの行動なのだという。

なぜそこまで日本に対する気持ちが強いのか?それは、李登輝元総統など日本植民地時代の教育を受けたお年寄りがまだ多数活躍していること。それから、馬英九総統は日本が植民地時代に台湾農工業に与えた「功績」を認めているが、これは多くの台湾市民の心の声を代弁しているという。これに対し、植民地支配が与えた苦痛は気にしていないようだ。多くの台湾市民は中国ではなく日本こそが東方文明国家の手本だと考えているらしい。

台湾の人々は日本が大好きだ。行きたい国のトップももちろん日本。綺麗でオシャレだというのが1番の理由という。これを聞いた中国人は「自分の祖先を忘れたのか!」と罵るだろう。だが、台湾の民衆も本土の人々は「理不尽で横暴」だと思っている。良いと思うものはほとんどなく、流行に取り入れたいと思える文化もない。

要するに日本のことが心から好きだという気持ちが、募金額に現れたのだろう。中国本土では歴史的なわだかまりから、台湾のような大々的な募金活動は行われなかった。だが、中国人がどんなに日本を恨み、震災で被った損害をどんなに喜んでも、台湾の人々の日本に対する思いは抑えられない。

いつまでも台湾の人々を「祖先を忘れた」「敵と味方を取り違えた」と罵っているだけでは何も変わらない。それよりも、自分たちの社会を少しでも台湾の人々に好きになってもらえるよう努力する方が先ではないだろうか。

東電社長、地震当日は夫人同伴で奈良観光
2011年5月28日(土)(朝日新聞)
 東日本大震災が発生した3月11日前後の清水正孝・東京電力社長の行動が27日、毎日新聞の取材で明らかになった。東電が説明していた「関西財界人との会合のための出張」とは異なり、奈良・平城宮跡や東大寺の修二会(しゅにえ)(お水取り)見物が主で、平日に夫人、秘書同伴という観光目的の色彩が極めて強く、業務に相当するような公式行事はなかった。
 東電は清水社長の夫人同伴の関西出張を認めておらず、東電側の隠蔽体質が改めて浮き彫りになった形だ。
 毎日新聞の取材に対し東電は「清水社長の日程は、相手のいることなので公表できない。否定も肯定もしない」と答えるだけで、詳細を明らかにしていない。
 関係者や奈良県によると、清水社長ら3人は3月10日午後、2泊の予定で奈良市のホテルにチェックイン。11日に、夫人同伴で東大寺のお水取り観賞が予定されていた。
 清水社長は11日午後、電気事業連合会会長として平城宮跡を「視察」
 見学中の午後2時46分に大震災が発生し、視察を切り上げ、同日夜の宿泊とお水取りの観賞を取りやめた。
 関西財界人との会合について、関電首脳は「清水社長に会っていない」と否定し、他の主要関西企業トップも清水社長との懇談を否定している。清水社長の平城宮跡視察についても、東電広報部は「公表できない」としか答えていない。
 大震災後、清水社長は奈良から愛知県に移動したとされるが、奈良からいったんタクシーで神戸空港に向かったとの情報もある。その後、航空自衛隊小牧基地から輸送機で東京都千代田区の本店に戻ろうとしたが、輸送機が途中で引き返したため帰京できず、翌12日午前に民間ヘリで東京に戻った。
 震災発生時、勝俣恒久会長も中国出張で東京を不在にしていた。
 この間、東京電力福島第1原発は冷却装置が機能せずに炉心溶融(メルトダウン)が進み、チェルノブイリと並ぶ最悪の原発事故に発展した。

「震災復興宝くじ」を発売 1等3千万円、7月30日から
2011/04/26
 総務省は26日、宮城県など9県2市から申請があった「東日本大震災復興宝くじ」の発売を許可した。7月30日から8月9日の11日間、全国の売り場で発売される。1枚200円で、計300億円分を売り出す予定。1等は3千万円。
 当選金や販売経費などを除いた収益金約143億円の9割以上を復興財源として、岩手、宮城、福島の3県と仙台市に配分する。
 9県2市に東京都を加えた「東日本大震災復興東京都宝くじ」の発売も許可。8月17日から9月27日までの間に5回に分け、都内で25億円分を販売し、約11億円の収益金を見込む。
 自治体が使い道を自由に決められる一般財源となる。
 復興宝くじは阪神大震災と新潟県中越地震の際に発売されている。(産経新聞)

民主党の長島一由議員週内聴取へ 神奈川県警、ボート牽引疑い
2011.4.26
 民主党の長島一由衆院議員(神奈川4区)が震災後の公務の合間、趣味のボートをミニバイクで牽引していた問題で神奈川県警は25日、ボートを運ぶ際、脆弱なロープ状のもので牽引したことが道路交通法施行細則に違反するとの見方を強め、週内にも長島氏への任意聴取を行う方針を固めた。
 長島氏は4月2日と4日、自らが所有する船外機付きの2人乗りボートを修理するため、同県逗子市の自宅から葉山町の海岸までの県道など約600メートルを、排気量50cc以下のミニバイクを使って牽引した。
 この際、牽引用の装置のないミニバイクの後部に、ロープ状のものでボートトレーラーをくくりつけて牽引したことが同細則に違反する可能性があるという。
 通常、交通違反の取り締まりは警察官の目撃などで行われるが、今回は地元住民がボート牽引時の様子を写真撮影。証拠として残っていたことから、県警で裏付け捜査を進めていた。
 県公安委員会が定める道交法施行細則によると、違反者には2万円以下の罰金か、反則金3000円(違反点数1点)が科される。
 長島氏は自らのブログなどで「(同細則に)抵触はしていない」などと主張。県警は長島氏に聴取の要請を続けていたが、国会での多忙を理由に日程調整が難航し、週内にずれ込んだとみられる。
 長島氏は震災で党の福島県対策室の副責任者を務めているが、海岸でボートいじりをしているのを住民に見つかり、「緊急時になぜ」などと批判を浴びていた。(産経新聞)

「許し難い暴挙」と強く抗議=汚染水放出で、東電に―全漁連会長
2011.4.6
 全国漁業協同組合連合会(全漁連)の服部郁弘会長は6日午前、都内の東京電力本社に勝俣恒久会長を訪ね、同社が福島第1原発で高濃度放射能汚染水の貯蔵スペースを確保するため低濃度の汚染水を海に放出したことに対し、「何の相談もせずに強行した一方的な暴挙だ。われわれ漁業者の神経を逆なでするもので、許し難い」と強く抗議した。 服部会長は、「国と東京電力の責任は免れない」と強調。政府と東電に、関係者への最大限の補償を速やかに行うよう求めた。

 これに対し、勝俣会長は
「大変なご迷惑をお掛けしたことを、心から深くおわび申し上げます」と陳謝。汚染水の流出防止や損害の補償に「最大限の努力をする」と述べ、同社として誠意を持って対応する姿勢を示した。

 服部会長は東電側との会談後、記者団に「これからはどんな説明を受けても信頼できない」と強い不信感を表明。福島、茨城両県以外の漁業者にも不安を広げた東電や政府の対応に怒りを示し、今後全漁連として、全国で運転もしくは計画中の全ての原発の中止を訴えていく考えを示した。 

被災地視察、今週末も検討=首相
2011/4/6
 菅直人首相が今週末、東日本大震災の被災地視察を検討していることが5日、分かった。 首相周辺が明らかにした。 首相は津波で大きな被害を受けた岩手県陸前高田市や福島第1原発事故対応の後方拠点となっている福島県楢葉町の「Jヴィレッジ」を2日に訪問したばかり。 震災発生翌日の3月12日にも、福島第1原発を訪れたほか、宮城県などの沿岸部を上空から自衛隊ヘリで見て回っており、実現すれば3回目の視察となる。(時事通信)
 

 なんら、ロクな復興対策・原発対策もうたずに、相変わらずのパフォーマンスばかりのできそこない菅直人にはホント海胆、うんざりです。 邪魔になるだけです。 燃料の無駄遣い。 逆効果でしょう。 民主党にとっての最善は菅直人にはこっそり首相官邸で引きこもりかニートしててもらうのがよいかと。 官邸にいても何もしないので暇つぶしに行くんでしょうね。 あんまし余計なことしたら菅さんを視察する人が出てくるかもしれないし...。
 どうせパフォーマンスするのなら、菅直人は学生運動していた左翼なんだしヘルメットでもかぶって福島第一原発の現場に直接入って激励して作業員たちと一泊くるとか、お得意の飲食がよいかと。
 「直ちに身体に影響がない」ので、原発周辺でとれた蓬蓮草と魚を食べて、牛乳と井戸水飲むとか。 まあ、菅さんの年齢からしたら確かに、「直ちに」影響がない訳ですし...。
 ただ、今までの震災・津波・原発への菅の対応をみていると、この機に及んでこんなパフォーマンスをしてしまうんでしょうね。 なんか、かわいそうな人なんだな、と思ってしまいました。

年間被爆限度、引き上げ検討 ― 枝野官房長官
2011/4/6
 枝野官房長官は6日午前の記者会見で、
年間1ミリシーベルトとしている住民の被ばく限度量について
「現在の基準値は短期間で大量の放射線を受ける場合の安全性を示している。 放射性物質を長期間受けるリスクを管理し、別の次元の安全性を確保する上でどのくらいが退避の基準になるか検討している状況だ」
と述べ、引き上げを検討していることを明らかにした。

 屋内退避指示が出ている第1原発から20〜30キロ圏の外側でも、大気中の放射線量の積算値が10ミリシーベルトを超えた地域がある。 このため、原発事故の長期化を前提に、被爆限度の基準を緩める必要があると判断した。(時事通信)

震災対応中にボート 民主・長島議員「横暴、なぜ」住民批判
2011.4.6
 東日本大震災で政府が対応に追われる中、民主党の長島一由衆院議員(神奈川4区)が、神奈川県葉山町の海岸に趣味のボートを持ち込み、修理などをしていたとして住民の批判を浴びていることが5日、分かった。 ボートを運ぶ際、ミニバイクで牽引していたといい、道交法施行細則に抵触する恐れもある。
 長島氏は今月2日と4日、葉山町の小浜海岸を訪れ、船外機付きの2人乗りボートを海に浮かべるなどした。
 同海岸はマナーの悪い利用者が絶えず、住民が県に要請して3月上旬、海岸に下りるスロープに車止めを設置。ボートや水上バイクの持ち込みができないようになっていた。
 ところが、長島氏は3月下旬、県に対し「住民への周知が足りない」などと電話で抗議。 4月1日、県が車止めを撤去したのを確認した後、2日間にわたりボートを浜に持ち込んだという。
 長島氏はボートを持ち込む際、排気量50cc以下のミニバイクで牽引。 海岸沿いのバス通りなどを走ったというが、県公安委員会が定める道交法施行細則では、交通量の多い道路での牽引を禁じている。
 同海岸はヨット利用の拠点となる葉山港に隣接するが、同港は震災の影響で、レスキュー艇の燃料確保が困難になったとして3月30日まで利用の自粛を要請しており、地元住民からは「国会議員の地位を利用した横暴」「震災で大変なときになぜ」などと批判の声が出ている。  長島氏は産経新聞の取材に対し「ボートの修理のためであり、遊び目的ではなかった。公務の合間を縫って海にいたのは15分程度。 救命の全国組織にも登録を申請しており、人命救助にも役立つと思った。 これまでにもウインドサーファー2人を救出したことがある。 ミニバイクでの牽引も交通量の少ない時間を見計らった」としている。
 長島氏は前逗子市長で、現在1期目。震災では民主党の福島県対策室の副責任者を務めている。

仙台の被災者 自宅から米10袋と3万円を盗まれ自警団を結成
2011年04月04日(月)
 工事現場で見るような反射板を付けたベンチコートが闇に映える。 手には懐中電灯を持つ。そんな男たちを4人ほど荷台に乗せた軽トラックが人の走るようなスピードでゆっくり巡回する――。
 仙台市でも被害が甚大だった宮城野区蒲生地区。 地元小学校には今も450人の被災者が避難している。
 震災から9日後の3月20日。 この小学校では若手有志15人が自警団を結成した。 震災前は農業を営んでいた、リーダーの二瓶透さん(49)がいう。
 「仙台市では、空き巣が多数報告されています。 実は私の家もその被害にあった。 津波の水が引いてから自宅に戻ると、お米10袋とタンスの中にあった3万円がなくなっていました。 近くにあったパソコンの上には、泥のついた足跡が残っている。 こんな非常時なのに許せない……。 せめて自分の町だけでも守ろうと、自警団を呼びかけました」
(週刊ポスト)

「日本、立ち直る」=「命のビザ」に救われた「先物の父」−米シカゴ
2011/04/03(日)
「日本は今の苦難を乗り越えると確信している」。

 第2次大戦中、リトアニア駐在の外交官だった故杉原千畝氏の「命のビザ」でナチス・ドイツの迫害を逃れた米大手先物取引所CMEグループのレオ・メラメド名誉会長が、東日本大震災に見舞われた日本へエールを送っている。
 杉原氏に救われたユダヤ系のメラメド氏は、日本を経由して渡米、その後、世界最大の先物取引所CMEグループの礎を築いた。「金融先物の父」の異名を持つ立志伝中の人物で、自他ともに認める親日派だ。
 メラメド氏は波瀾万丈な自らの人生と重ね合わせ、「人生は時に不公平だ」と語りながらも、日本が戦後、経済繁栄を遂げた歴史を踏まえ、「日本は必ず立ち直る」と断言した。
 同氏自身、大震災から受けた衝撃は大きく、「津波の映像を見た瞬間、人生で初めて震えとともに体が勝手に後ずさる」ほどだったという。
 メラメド氏は子供の頃、神戸に一時滞在していた。ある時、母と道に迷い、日本語が分からずに途方に暮れたことがあった。「その時、本当に忙しそうな男性が、住所が記された母の紙切れを見て状況を察し、時間を割いて目的地に連れて行ってくれた。(その親切心を)決して忘れたことはない」と当時を回想した。
 震災後に犯罪が急増しなかった日本に対し、米国で称賛の声が上がっている。「米国人にはかなりの驚きだっただろう。でも私には驚きはみじんもない。世界で最も礼儀正しい人々だから」とほほ笑んだ。

震災義援金100億円突破=支援桁外れ、親日ぶり示す―台湾
2011年4月1日(金)
 台湾当局のまとめによると、東日本大震災の被災者への義援金が1日までに、官民合わせて計100億円を突破した。 米国が赤十字を通じて集めた寄付が3月30日現在で約99億円。 人口が約14分の1の台湾が同規模の義援金を集めたことは「桁外れの支援ぶり」で、台湾人の親日ぶりを端的に示している。
 台湾では大震災発生直後から被災者支援の輪が広がり、外交部(外務省)が震災発生当日に1億台湾ドル(約2億8500万円)の義援金を送ると表明。 同月17、18の両日にはテレビ局などがチャリティーイベントを開催して寄付を呼び掛け、これまでに約9億台湾ドル(約25億6600万円)を集めた。 同部が把握していない寄付も相当程度あるとみられ、実際の金額はさらに多いとみられる。(時事通信)

1号機ベント作業、首相視察の1時間後に
2011年4月1日
 首相官邸の初動対応で、「菅首相の行動が裏目に出た」との批判が出ているのが福島第一原発の視察だ。
 地震発生から一夜明けた12日早朝、首相を乗せた陸上自衛隊のヘリコプターが官邸屋上から同原発に向かった。 「とにかく現場が見たい」との首相の強い意向で、視察は約50分続いた。 当時、1号機は原子炉格納容器内の圧力が高く、首相が視察にたつ約3時間前には、海江田経済産業相らが弁を通じて高圧の蒸気を放出するベント作業を急ぐよう指示。 だが、実際の作業着手は、首相が視察を終えた1時間後だった。
 枝野官房長官らは視察の影響を否定するが、蒸気放出で放射性物質も原子炉外部に拡散するため、「首相に危険を及ぼさぬように作業を遅らせた」(自民党幹部)との見方が広がった。(読売新聞)

米「菅政権の反応が鈍い」…支援提供打診も
2011年4月1日(金)
 29日付の米紙ニューヨーク・タイムズによると、米原発業界は極秘に発電機やポンプ、ホースなどの冷却機材一式を備蓄しており、いざというとき米空軍が全米どこでも運搬する態勢になっている。 テロ攻撃などで機能不全に陥った原発の安全確保が目的で、2001年の米同時テロ以後に態勢が整えられたという。
 クリントン国務長官が地震直後、「在日米空軍の装備を使い、冷却材を日本の原発に運ばせた」と発言したのは、これに関連しているとみられる。 しかし、日本側は「水なら海にいくらでもあるが……」(日本政府関係者)と危機意識が薄く、結局、この緊急計画は発動はされなかった。(読売新聞)

「ヨウ素剤、今すぐ配布を」仏放射線専門家グループが訴える
2011.4.1
 ロイター通信によると、フランスの放射線専門家グループCRIIRAD関係者は3月31日、福島第1原発事故を受け、放射性ヨウ素による甲状腺被ばくを防ぐ効果がある安定ヨウ素剤を、直ちにできるだけ広範囲に配る必要があると表明した。
 日本の原子力安全委員会は放射線量が100ミリシーベルトを超えた場合、安定ヨウ素剤を予防的に服用すべきだとしているが、同団体は放射性物質の影響を過小評価していると批判。 基準をさらに下げる必要性を強調している。
 同団体によると、安定ヨウ素剤の配布を怠った場合、甲状腺がんの患者が今後数年で急増する可能性があるという。
 関係者は「放射性物質による汚染が続く今、安定ヨウ素剤の配布を直ちに始めるべきだ。健康被害を最小限に抑えることができる。早急にできるだけ広範囲で配れば、まだ遅すぎることはない」と呼び掛けている。(共同通信)

民主党がお揃いの防災服新調 党内から「パフォーマンスしている場合か」の声
2011.3.31
 東日本大震災を受け、民主党は国会議員や秘書が着用するおそろいの防災服をあつらえることを決めた。 右腕には「民主党」の文字と、赤い丸を2つ重ねた同党ロゴマークが入るデザイン。 党総務委員会が議員に配布した「党防災服購入のご案内」によると、色は濃紺。 サイズはSSから5Lまで8種類を用意し、金額は5千円程度。4月中旬に配布する予定だ。
 防災服をめぐっては、閣僚が各省庁の防災服姿で国会答弁している姿についてすら、「現場に行くわけでもないのにわざとらしい」(若手)との声もある。 遅まきながら形から入ろうとする民主党らしい取り組みにも、党内から「パフォーマンスをしている場合か」(中堅)と冷ややかな声が上がっている。

礼儀正しい被災者に感銘=東北に派遣の米救援隊員
2011年3月30日(水)
 東日本大震災で、米国救援隊の一員として東北地方に派遣された日系4世の消防士アツシ・ウエハラさん(42)が29日、ロサンゼルス市内で救援活動についての報告会に出席、災難のさなかでも礼儀正しい被災者の姿に感銘を受けたと語った。
 ウエハラさんは地震翌日の3月12日、ロサンゼルス郡消防局の同僚73人と共に青森県の米軍三沢基地に到着後、1週間にわたって岩手県大船渡、釜石両市で活動。 被害の甚大さを目の当たりにし、両親ゆかりの広島に行った経験から「原爆投下後の広島を連想した」というほど驚いた。
 ウエハラさんは「ベストを尽くし6遺体を見つけたが、生存者は一人も発見できなかった」と肩を落とす。
 「将来また東北を訪れ、復興した姿を見たい」というのが願いだ。(時事通信)

タイの発電所、日本に丸ごと貸し出しへ
2010.3.29(火)
 日本に貸し出されるのは、巨大な煙突、タービン、発電機といった発電設備一式、これを2セットです。発電所ほぼまるごと、日本に移設されます。
 東京電力に貸し出されるのは12万2000キロワットのガスタービン発電設備2機などで、およそ24万世帯分の電力を賄うことができます。この発電設備は日本製で、95年から稼働していますが、現在はピーク時を除いて使われていないため、電力不足に悩む日本に無償で貸し出すことになりました。
 「日本はこの困難に対し決して孤独ではありません。何でもサポートします」(タイ電力公社の社員)
 発電所は分解して船で運び、東京近郊に移設されるということで、東京電力では今年8月の運用開始を目指しています。発電機だけのレンタルはありますが、発電所が丸ごと貸し出されるケースは、世界でも極めて珍しいということです。(TBS)

菅ワガママ視察で原発危機!もうウンザリ…閣僚・官僚は仙谷詣で
2011.03.28
 菅直人首相(64)が大震災翌日、東京電力福島第1原発への視察を強行したことが、事故対応を遅らせたとの見方が強まっている。 周辺住民に退避を強い、東日本の人々を放射能の恐怖に陥れ、計画停電などで日本経済を疲弊させている責任の一端が首相自身にあるなら、万死に値する。 その他の震災対策でも批判が噴出している菅首相は最近、官邸内で孤立を深めている。
 東日本大震災当日の11日夜、経産省原子力安全・保安院は、第1原発の事故に関して、3時間以内の「炉心溶融」を予測した。 翌12日未明には、溶融の前段である「炉心損傷」を示す、放射性ヨウ素や高いレベルの放射線を検出したため、政府専門家の間では「即時、原子炉の圧力を低下させる応急措置をとる」との方針が決まったという。
 ところが、応急措置の実現までに、なんと半日も要した。
 この原因は、「原子力に詳しい」と自画自賛する菅首相が12日早朝、原子力安全委員会の班目春樹委員長とともにヘリコプターで第1原発を視察したことだという。 政府文書や複数の政府当局者らの話で判明した。
 政府原子力災害対策本部の文書によると、保安院は11日午後10時に「福島第1原発 2号機の今後のプラント状況の評価結果」を策定した。
 これによると、炉内への注水機能停止で50分後に「炉心露出」が起き、12日午前0時50分には炉心溶融である「燃料溶融」に至るという“最悪のシナリオ”を提示。 この対策として、午前3時20分には放射性物質を含んだ蒸気を排出する応急措置「ベント」を行う−としていた。 この評価結果は11日午後10時半、菅首相にも説明されていた。
 その後、2号機の原子炉圧力容器内の水位が安定したが、12日午前1時前には1号機の原子炉格納容器内の圧力が異常上昇。 4時ごろには1号機の中央制御室で150マイクロシーベルトのガンマ線、5時ごろには原発正門付近でヨウ素も検出された。
 「チェルノブイリ原発事故」「スリーマイル島事故」を想像させる事態悪化を受け、東電幹部と班目氏らがベントの必要性を確認したが、東電がベント実施を政府に通報したのは、菅首相の視察終了後の8時半で、作業着手は9時4分。 空気圧縮ボンベの不調などで時間を費やし、実際に排出が行われたのは午後2時半だった。
 与党関係者は「菅首相の視察でベント実施の手続きが遅れた」と説明。政府当局者は「ベントで現場の菅首相を被曝させられない」との判断が働き、現場作業にも影響が出たとの見方を示した。
 政府に近い専門家は「時間的ロスが大きい」とし、ベントの遅れが海水注入の遅延も招いたと解説。 1号機では排出開始から約1時間後、水素爆発で同機建屋の外壁が吹き飛んだ。
 事実とすれば、菅首相の政治パフォーマンスである視察が現場を混乱させ、原発事故をより深刻にさせたといえる。 しかも、その後も被災者支援の遅れや復興財源の不透明さ、計画停電の不公平さなどが菅首相を直撃している。
 26日夜、菅首相は番記者を集めて急きょ、オフレコ懇談を開いた。 「前日、震災発生から2週間の総理会見を開いたが、あまりにも評判が悪くて、世論対策やマスコミ対策を急いだようだ」(官邸筋)という。
 たしかに、総理会見はひどかった。 今回の震災では、阪神大震災などに比べて仮設住宅建設の遅れが指摘されているが、このスケジュールについて問われた菅首相は「大畠国交相を中心に、関係方面にその仮設住宅に使うプレハブの発注などを進めてきている。 早いところでは月内にもそういう作業が始まるのではないかと思うが…」と他人事のような答え。
 第1原発周辺の避難について、政府の対応が後手後手だという批判も強いが、菅首相は「原子力安全委員会が中心となってその専門家のみなさんの分析、判断をいただいたうえで、最終的に政府として退避の指示を出している。 そういった専門家のみなさんの判断を尊重した対応で…」と、これまた他人任せの発言に終始した。
 震災発生直前、菅首相は外国人献金問題で窮地にあった。 この逆風を吹き飛ばすためにも、政治主導で震災対策に邁進してきたが、誰の目にも能力不足は明らか。 菅首相は、仙谷氏を官房副長官に起用したが、これが孤立化に拍車をかけたという。 官邸筋はいう。
 「菅首相は、誰にでも怒鳴るため、心ある官僚や閣僚は面従腹背となり、距離を置き始めた。 周囲は『総理の評判がいいです』などとゴマをするたいこ持ちばかり。 仙谷氏が官邸に入り、すべてを仕切り始め、閣僚や官僚らは『仙谷詣で』を繰り返している。 菅首相は1人の時間が増え、ヒマな政治家や、知り合いの学者に電話をしている。 官邸スタッフは最近、『菅首相の表情が暗い』とヒソヒソ話をしている」
 こうした中、菅首相は27日、内閣官房参与に、原子力工学を専攻する田坂広志多摩大大学院教授を起用する方針を固めた。 大震災後、首相が内閣官房参与を起用するのは6人目だが、閣僚や官僚に相手にされない寂しさを埋めるつもりなのか。
 永田町事情通は「与野党議員も官僚も現在は震災対策に必死だが、内心は『菅首相にはウンザリ』という気持ちが強い。 国家的危機なのに、内閣支持率調査の中には30%以下の危険水域を脱し切れないものもある。 このままでは、大震災や原発対策が一段落した時点で、『菅降ろし』が再浮上する可能性が高いのでは」と語っている。
(ZAKZAK)

東電「決死隊」1日2食の劣悪環境 一時は水も1.5リットルのみ
2011.3.28
 東京電力福島第1原発事故の収束に向けて、放射線量の高い現場で命がけの作業を続けている同社と協力会社の社員が、1日に「非常食2食」しか摂取できないという劣悪な環境に置かれていることが28日、分かった。 原子力安全・保安院の横田一磨統括原子力保安検査官が福島県災害対策本部で会見し、明らかにした。
 横田氏は作業状況などの確認のため、22〜26日に福島第1原発を視察。 現場では新たな水、食糧などが入手困難な状況で、一時は1日あたり1人に提供される水の量は「1.5リットル入りペットボトル1本」だったという。
 水に関しては、その後改善されたが、食事は朝、夜の1日2食で、朝食は非常用ビスケットと小さなパック入り野菜ジュース1本、夕食は「マジックライス」と呼ばれる温かい非常用ご飯1パックと、サバや鶏肉などの缶詰1つだけだという。
 マジックライスは「ワカメ」「ゴボウ」「キノコ」「ドライカレー」の4種類から選べるという。
 こうした待遇は、東電社員と協力会社社員とも一緒で、東電幹部も同じものを食べているという。
 横田氏は「協力したいが基本的には事業者(東電)の問題。大変厳しい環境で作業に必要なエネルギーを得られていないと思う」と話した。
 作業員は常時約400人。「約1週間おきに交代していると思われる」(横田氏)が、作業時以外は、原子炉建屋から数百メートル離れた「免震棟」と呼ばれる建物を拠点にしている。
 下着など衣服も不十分で「着替えも難しい」(同)ほか、免震棟内は暖房が入っているとはいえ、夜間は毛布1枚づつしか与えられず、底冷えする中で眠っているという。
 さらに、現地は基地局の倒壊などで、衛星回線を除き、固定、携帯電話ともつながらない状況。「作業員らは家族との連絡手段も断たれている」(同)。トイレの水は確保されているが、「手洗いに水が使えず、洗浄用アルコールを用いている」(同)という。
 こうした環境の中、作業員からは愚痴などが聞かれるものの、作業の拒否などには至っていないという。
 ただ、発電所内はテレビを全局見ることができ、24日に3人が被曝した事故のニュースでは、現場の放射線量の高さに衝撃を受ける作業員も多かったという。
 横田氏は自身が5日間の現地確認中に受けた放射線量は計883マイクロシーベルトだったとし、胸部レントゲン約15回分の放射線量にあたる。
 横田氏は「福島第2原発の作業員を第1に投入し、交代を促す」など、第1原発の作業員の過労や、被曝防止の対応が必要との認識を強調した。

津波は日本の捕鯨産業の柱を倒した…NYタイムズ「冷酷」日本総領事館抗議
2011.3.28
 在ニューヨーク日本総領事館は25日、同日付の米紙ニューヨーク・タイムズが宮城県石巻市鮎川浜の捕鯨産業を取り上げ、「日本の町は捕鯨のない将来を考える」との見出しで、日本の捕鯨産業は東日本大震災によってとどめを刺されたとの内容の記事を掲載したことに対し、「あまりに冷酷であり、不適切な報道だ」と同紙外信部長に対し抗議を申し入れた。
 ニューヨーク・タイムズの記事「捕鯨のない将来」は、同紙の東京支局長、マーティン・ファクラー氏が日本有数の伝統捕鯨の地、鮎川浜で、東日本大震災の被害を受けた港の惨状をリポートした。
 記事では「捕鯨のない鮎川浜はありえない」という船員の声を紹介をしつつも、大打撃を受けた町の実態を伝え、「津波は、日本の捕鯨産業の支柱を倒すことによって、欧米の環境保護団体の抗議や妨害が失敗してきたことを成し遂げたようだ」と指摘した。
 小型沿岸捕鯨と北西太平洋調査捕鯨を担う鮎川浜の捕鯨産業は、これまでも環境団体の批判にさらされてきた経緯がある。 今回の震災では、大津波で2隻ある捕鯨船が浜に乗り上げたほか、鯨の解体処理場や日本鯨類研究所の施設なども壊滅的な被害を受けた。
 水産関係者によると、船員らは全員無事。 捕鯨船も修理すれば使用が可能という。 船員らは千葉県南房総市和田浦など他の捕鯨基地の支援を受けながら、「津波に負けていられない」と地元の捕鯨復興に向けて尽力している。
 ファクラー氏は昨年5月も鮎川浜をリポートし、「住民たちは長年のタブーを破って、政府の南極海捕鯨に異議を唱えだしている」と伝え、調査捕鯨を続ける農水省についても「日本の中央省庁で最も秘密主義の省庁の一つ」と指摘した。
(MSN産経ニュース)


日本人の大人はヨウ素131、つまり放射性ヨウ素を吸い込んでも大丈夫です。  元々大人の甲状腺は放射性ヨウ素で癌のリスクが高まらないことがわかっているのと、日本人は昆布だ しなど含め海が近い風土で採れた食事のお陰で甲状腺に放射性ヨウ素が入り込む余地がありませんので大丈夫です。

但し、乳幼児は大丈夫じゃありません。乳幼児は感受性が高いです。 特に海草や昆布だし摂取が関係ないミルクを飲んでいる乳児です。 甲状腺が食事のヨウ素で飽和していない新生児では呼吸で吸われた放射性ヨウ素ガスは肺で血液に溶け、甲状腺に有機化合物(固体)になり取り込まれます。 そして長期に渡って甲状腺内部で放射線を発し続けます。 そしてDNAを損傷し、おおむね15年後をピークとして甲状腺癌を発生させるリスクを高めます。 ですから少なくとも乳幼児に限っては、ヨウ素剤を飲ませておく必要があるのです。 放射性ヨウ素吸入直前又は6時間以内でないと効果はありません。

なお、ヨウ素剤は甲状腺がん予防の効果しか無く、放射線からの全身保護の意味はありません。

放射性ヨウ素は通常の放射線測定器で測定出来ません。
何ミリシーベルトだから大丈夫という のは総放射線の話で、全く別です。
放射性ヨウ素は気体です。
以上のことから政府は放射性ヨウ素の各地の空気中濃度を公表し必要な説明をすべきです。

※リンク
原子力防災について ーヨウ素剤 Q & Aー
原子力災害時における安定ヨウ素剤予防服用の考え方について
原子力事故時のヨウ素剤の服用

与野党幹部が被災住民見舞う 要望を聴取
2011.3.26
 自民党の石原伸晃幹事長は、気仙沼市の菅原茂市長を訪ね、震災復興のため平成23年度補正予算案に協力し、きめ細かい被災者支援に取り組む考えを表明。市長は「被災住民は二次避難先として(同じ)宮城県内の避難所を望んでいる」と要望した。逢沢一郎国対委員長も福島県いわき市を訪問した。
 一方、民主党の岡田克也幹事長も原発事故で避難指示を受けた福島県の住民らが避難している山形市の総合スポーツセンターを視察し、長期化が予想される避難生活への要望を聞いた。27日には青森県八戸市などの被災地に入り漁港や工場地帯の被害状況を視察する予定。

被災者が那須御用邸の温泉に入浴 「役立てば」と両陛下
2011.3.26
 栃木県那須町の那須御用邸内にある職員用温泉入浴施設が26日、同町に避難している福島県の被災者に開放された。両陛下のご意向を受けて実現したもので、雪の中をバスに乗った22人が訪れた。
 宮内庁によると、同庁関係者以外が利用したのは初めて。栃木県は保健師を派遣し、入浴に来た住民の健康相談などに応じた。
 福島県相馬市の板垣光延さん(48)は入浴後、顔をほてらせて「めったに入れないところに入れてうれしい」。同県浪江町の平子葵さん(11)は「外は寒かったけど、温泉で温まった」と笑顔を見せた。
 今後は那須町が避難所から送迎バスを運行し、4月末まで週2回、1日50人ほどを受け入れる予定。

シー・シェパード 捕鯨妨害で震災支援に貢献したとPR
2011.3.26
 南極海の調査捕鯨を1カ月早く切り上げて帰港し、東日本大震災の救援物資船となった日本船団の母船「日新丸」(8044トン)について、捕鯨中断に追い込んだ米国の反捕鯨団体、シー・シェパード(SS)は25日、「われわれの努力が震災犠牲者への支援を生み出した」とアピールする声明を出した。
 SSの過激な妨害により今期の調査捕鯨を中断した船団の日新丸は今月21日、東京・大井埠頭に帰港。日新丸を保有する共同船舶はすぐに「震災被災者を助けたい」として、被災地への救援物資運搬船として利用することを決めた。日新丸は25日、重油500キロリットルや大量の食料などを詰み込み、宮城県沖に向け出港した。
 SSは同日の声明で、捕鯨妨害のおかげで日新丸が1カ月早く帰港、その結果、SSが震災への人道援助に貢献できたなどと主張。「日新丸は永久的に人道援助船となるべきだ」とも要求した。
 SSは東日本大震災の発生後、震災について頻繁に言及。代表のポール・ワトソン容疑者(60)=傷害容疑などで国際手配中=は、海の神が怒ったとする趣旨の「Tsunami(津波)」と題した詩を発表し、物議を醸している。
 一方、日本のイルカ漁に圧力を加えようと、震災直前の3月上旬に岩手県大槌町を訪れていたSS幹部のスコット・ウエスト氏は津波の被害から逃れ、日本を脱出。米国に帰国後、手記を公表し、避難の際に助けてもらった地元の人々に感謝しつつも、「岩手県と和歌山県太地町のイルカ虐待は常軌を逸した活動であり、決して許されるものではない」と指摘した。

ヤクザの被災者支援に関心=「イメージアップ必要」と分析―スイス紙
2011.3.26
 「ヤクザ」がトラック25台分の食料、救援物資を提供。25日付スイス紙トリビューン・ド・ジュネーブが、東日本大震災の被災者支援に積極的な暴力団の活躍ぶりを紹介し、未曽有の災害に一丸となって対応していると評価している。
 記事は、指定暴力団が食料などをトラックに満載し、「東京から12時間かけて被災地に提供した」と説明。福島第1原発付近にも防護服を着けずに物資を届けた話や、家をなくした被災者に住居を提供する例、さらに1995年の阪神大震災でも支援活動に当たったことを紹介した。(時事通信)

太陽光発電、造水機、「すぐ使える」独自技術の救援物資続々
2011.3.26
 「被災地で何が必要なのか」。企業各社が、太陽電池と蓄電池を組み合わせた発電システムや高性能の造水機、水のいらないシャンプーなど独自の技術を生かした救援物資を被災地に送り届けている。被災地では、電気や水道、ガスなどのインフラが寸断され、ガソリン不足も深刻だ。各社とも「被災地でもすぐに使える」という視点を重視している。

 シャープと日立製作所系の新神戸電機は避難所向けの太陽光発電システムを250セット寄贈することを決めた。震災を受けて急遽、共同で開発した。シャープ製の約1メートル四方の太陽電池パネルに新神戸電機の蓄電池とコンセントを組み合わせた。蓄電池の電力量は180ワット時で携帯電話120台を1時間で充電できる。
 パナソニックも小型の太陽電池パネルを組み合わせた、グループの三洋電機製の「ソーラーランタン」を4千個送る。
 化繊メーカーの東レは、得意の「水」で貢献する。海水や汚れた川・湖の水から飲料水を作る災害用の小型造水機6台を提供した。水を濾過する同社の「膜」は世界的にも評価が高い。塩分や泥だけでなく、重金属や細菌、ウイルスなどの有害物質を除去できる。
 資生堂も水不足の被災地で要望の多い、水のいらないシャンプーや消毒剤など18万個を送った。
 ヤマハ発動機が提供したのは、139台の電動アシスト自転車「PAS(パス)」。被災地ではガソリン不足は依然、深刻だが、電気は復旧している地域もあり、自治体や医療機関から「避難所の間を移動する足がほしい」との要請に応えた。
 コマツは、行方不明者の捜索やインフラ復旧に欠かせない建設機械やフォークリフトなどを無償で貸与。集会所などに使うプレハブハウスも寄贈する。クボタは建機20台を機械を扱う専任の操縦者と合わせて派遣する。

「原発作業員は英雄」と米紙
2011.3.26
 25日付の米紙USAトゥデーは「原発にヒーロー(英雄)が現れた」との見出しとともに、1面で福島第1原発で放射性物質の封じ込めなどに当たっている作業員や自衛隊員らをたたえた。インターネット上では「日本でもっと注目されるべきだ」との声も出ている。
 同紙は作業員らについて「見えない放射線にさらされながら、精いっぱい働いている」と写真付きで紹介。「彼らは疑いなく英雄の定義に当てはまる」と称賛する原発専門家の意見を伝えた。(共同通信)

校庭に日の丸、被災地応援 ロンドンの中学生
2011.3.26
 ロンドンの私立中学キングズカレッジ校で25日、東日本大震災の義援金集めの一環として、被災地を応援する気持ちを示すため、赤と白の服装に身を包んだ生徒らが校庭で「日の丸」をかたどるイベントが行われた。
 同校では普段、生徒は制服を着用するが、日の丸づくりのイベントのため、この日は私服での登校が許可された。生徒の母親らが作ったクッキーのチャリティー販売の後、200人以上の生徒が校庭で日の丸づくりに参加した。
 白い服でイベントに参加したフェルプス君(12)は「被災した日本人がすごく規律を保っているのが印象的だった。日本人は必ず立ち直れると思う」と話した。(共同通信)

与謝野氏、家庭の電力値上げ論撤回
2011.3.26
 国民新党の下地幹郎幹事長は25日、枝野幸男官房長官と会談し、与謝野馨経済財政担当相が同日、一般家庭の節電をめぐり「料金体系を変えてはどうか」と事実上の値上げを提案したことに対し、「国民が困っている時におかしい。取り消さないなら罷免に値する」と抗議。下地氏は、与謝野氏が撤回しなければ亀井静香国民新党代表が菅直人首相に罷免を要求すると通告した。
 与謝野氏は同日夕、記者団に「個人で非常に大きな電力を使っている方のところは料金体系を変えることも検討したらという話だ。説明不足だった」と述べ、一般家庭の料金引き上げ論を実質的に撤回した。

地上の星 − 本当の「フクシマ50」
2011.3.25
 福島第1原子力発電所での過熱事故や放射能漏れとの闘いにおいて、脚光を浴びているのは「フクシマ50」と呼ばれる消防士や自衛官、工場職員だ。

 だが、日本史上最悪の原発事故の鎮静化に向けた辛い裏方作業の多くは、原発業界の数百人の名もない現場作業員の身に降りかかっている。高まる被ばくの脅威にさらされながら、パイプの運搬やがれきの撤去などさまざまな肉体労働で現場を支えている。

 福島第1原発では通常、日常的な原子炉の保守作業を行う数千人の労働者が働いている。だが今その多くに対して、事故を起こした現場に自ら志願して乗り込むことが要求されている。しかも、通常の賃金でだ。

 怖いが、誰かが行かなければならない、と多田堅司さん(29)は話す。多田さんは、東京電力の下請け会社、東海塗装に勤務する保護塗装のスペシャリストだ。

 多田さんの通常の職務の一つは原子炉設備の腐食箇所の塗装。多田さんは21日から福島第1原発で働く数百人の待機要員の一人に加わる予定だ。待機要員はエンジニアや機器操作員のほか、電力ケーブルの運搬と給水パイプへの接続など原子炉の過熱を収束させるために必要なあらゆる力仕事を担う人たちだ。

 現場要員の任務の内容は主にまた聞きしたものだ。彼らの一部は、福島原発周辺の退避指示圏の端に位置する大型トレーニング施設、「Jヴィレッジ」に待機しており、外部との接触はほとんど断たれている。電話もあまり通じない。

 物腰の柔らかい、人好きのする丸顔に黒縁のメガネをかけた多田さんは、取材に応じ、現場の同僚が給水に必要なポンプの設置を行っていたことや、放射線量はそれほど高くないことを電話で伝えてきたことを教えてくれた。

 東電や事故現場に要員を派遣しているその他の企業によると、それら要員には、特別な報酬や既存の災害・疾病保険以外の特別手当ては支払われていない。緊急事態への対応に追われ、そうしたことを検討する時間はないという。また、それを問題にする派遣要員もいないという。こうした危機に際して報酬を要求するのは、さもしい行為とみなされている日本ならではだ。

 東海塗装の池田義専務取締役は、カネのためにこの任務を引き受けている者は誰一人いないと述べた。また、要員の多くは退避指示が出された地域の住民であり、事態収拾のためには支援を惜しまないとした。

 多田さんによると、多田さんの通常の月給は約20万円で、日本のサラリーマンの平均月給29万1000円をはるかに下回る。それでも多田さんは、仕方ない、誰かが行かなくてはならないと話す。だが、多田さんの母親は行かせたがらなかったという。

 技術専門学校で建築を学んだ多田さんのように、待機要員の多くは高等教育は受けていない。重要なのは彼らが放射線環境に精通している点だ。

 60人あまりの主要員は、原子炉付近の厳重に防御された建物内で寝泊まりしている。当初、原子炉の冷却作業の運命はこれら一握りの要員が握っていると勘違いされたことから「フクシマ50」と呼ばれるようになった。これら福島第1原発所長率いる中核管理職は、復旧作業の指揮や制御室の運営、原子炉計器の監視を行っており、建物を離れることはめったにない。

 消防隊員や電源ケーブルの敷設要員などの残りの作業員は、シフトが終わると現場から撤収し、放射線量の比較的少ない場所で待機している。待機所の一つとなっているJヴィレッジについて、福島県は政府が退避指示を出している原発から20キロ圏内に位置すると主張しているが、防衛省は圏内ではないとしている。

 東電は23日、330人の社員を現場に派遣した。その他の224人の要員は東海塗装のような東京電力の「協力会社」から派遣されている人たちだ。

 多田さんは、日本の原発業界の中間層に位置する半熟連労働者の一人。下層には大勢の日雇い労働者がいて、最上層には東京電力や東芝、日立製作所といった企業の管理職やエンジニアがいる。

 池田専務によると、東海塗装は現在までのところ、自ら志願した6人の要員を派遣している。池田専務は、東電には40年間世話になったので、われわれのできることをしたいと述べた。

 現場要員は防護服とマスクを着用しており、放射線環境での作業訓練を受けた者でなければならない。防護服の下に着用した作業着の胸ポケットには、放射線量を測る2つの線量計が装着されている。

 多田さんによると、既に現場に行った同僚の話では、5時間の作業による放射線の被ばく量は100マイクロシーベルト。胸部のX線写真を1回撮影したときと同程度だ。これは、多田さんの言う事故前に通常勤務で4時間作業を行ったときの被ばく量、190マイクロシーベルトよりも少ない。

 福島第1原発から約30キロに位置する田村市の避難所にいる、原発設備メーカーの男性社員も、今週初めに現場勤務を要請されたと述べた。男性は、3号機への給水パイプの運搬と敷設をすることになると思うとした。

 男性は高卒で、月給は多田さんと同程度。男性によると、要請は拒否することもできると言われた。だが、受け入れなければならない義務だと感じたという。他人のために自らの命を犠牲にした第二次大戦中の神風特攻隊を思い出したのだという。

 要請を受けたら「行きます」と言うしかない、心は落ち着いてる、と男性は述べた。

共産・志位委員長が南相馬市入り
2011.3.25
 共産党の志位和夫委員長は25日、福島第1原発事故の影響を受けている福島県南相馬市を27日に視察することを決めた。

モンゴル、全公務員に一日分の給料の募金を呼びかけ
2011.3.25
 東日本大震災に対して世界各国からの支援が相次ぐ中、親日国モンゴル(人口約270万人)の政府が全ての公務員を対象に給料1日分の募金を呼びかける異例の対応をとっている。これが一般国民や企業の自発的な募金運動に発展し、すでに1億2500万円以上が集まった。モンゴルは24日に100万ドル(約8100万円)の義援金を日本に送ったが、この募金を元に救援物資または追加の義援金による支援を検討している。
 在日モンゴル大使館は日本への募金活動について「日本はモンゴルが市場経済に移行した1990年代、政府開発援助(ODA)で一番支援してくれた。国民みんなが感謝している」と語っている。
 一方、同胞が被災した日本でもさまざまな募金活動が進んでいるが、日本政府が「公務員の給与を募金に」と呼びかける兆しは今のところない。

両陛下、「自主停電」お続けに
2011.3.24
 天皇、皇后両陛下が、東日本大震災の被災地に思いをはせ、お住まいの皇居・御所の電気を一定時間使わない「自主停電」を続けられていることが分かった。「国民と困難を分かち合いたい」という趣旨で15日に始めたもので、宮内庁の羽毛田信吾長官らによると、陛下は「寒いのは(服を)着れば大丈夫」とおっしゃっているという。
 両陛下は計画停電で「第1グループ」に分類された地域の停電時間に合わせ、1回約2時間にわたり、明かりや暖房といった電気の使用を一切控え、時にはろうそくや懐中電灯を使いながら過ごされているという。暗い中で夕食を取られることもあったようだ。
 両陛下は、第1グループで停電が計画されたものの、実際には電力供給が逼迫せず、停電がなかった日も、当初の計画時間に合わせ、自主的な停電を実行された。15日から23日までは1日も欠かさずに行い、スケジュールに合わせて同じ日に朝晩2回、電気を止められた日も複数回あったという。
 宮内庁東宮職によると、皇太子ご一家も、同様の「自主停電」を、お住まいの東宮御所で行われているという。

自民、被災地での空き巣対策を要請 「治安維持の徹底を」
2011.3.24
 自民党の谷垣禎一総裁は24日夕の記者会見で、東日本大震災の被災地や東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示区域内で組織的な窃盗事件が起きていることについて「政府は避難地域などの治安維持に徹底した対応をとってほしい」と指摘した。

NYからわずか50キロに原発 安全議論高まる
2011.3.24
 福島第1原発での事故が世界的な関心を集めるなか、ニューヨーク市中心部からわずか50キロに位置するインディアン・ポイント原子力発電所についての議論が米国で高まっている。 福島と同様の事故が起これば、ニューヨーク市のほぼ全域が避難地域に入ってしまうためだ。 ニューヨーク州当局は22日、米原子力規制委員会(NRC)と会談、同原発の安全評価の見直しを「全米の原発で最優先とする」との言質を引き出したが、作業は容易ではない。
 インディアン・ポイント原発は1962年に操業を開始。ニューヨーク市と、隣接するウエストチェスター郡で使用される電力の25%を供給する。
 一般に米東海岸では大きな地震は起きないと信じられているが、米メディアによるとマグニチュード7クラスの地震が発生する可能性はある上、同原発の近くには2本の断層が走っているという。 現在運転中の原子炉は1970年代に設置されたものだが、最新技術を投入した設計とはいえず、同原発の耐震性を疑問視する声もある。
 もっとも、事故が現実に起きうるかどうかの議論を超えて、最悪の場合への対応を準備しておく必要性こそ、今回の福島での事故が教えるところ。 ところが、事故発生時の避難計画ひとつをとっても、見直しは容易ではない。
 同原発では現在、半径10マイル(約16キロ)圏内の住民の避難計画が策定されている。 2年ごとに見直しが行われ、現行計画では32万人の住民が避難対象となっているという。
 だが福島での事故をめぐっては、米政府は自国民向けに、日本政府の指示を大きく上回る半径80キロ圏内の避難を勧告した。 もし同様の事態がインディアン・ポイントで発生した場合、ニューヨーク市のほぼ全域が避難地域に入ってしまうことになる。
 米メディアでは、米政府より避難対象を狭い範囲にとどめている日本政府の判断を非難する論調がめだったが、ひるがえって米国では、2000万人におよぶニューヨーク大都市圏住民をまるごと避難させることは果たして可能なのか。
 こうした疑問に対し、米紙ニューヨーク・タイムズは「研究者にとって避難計画は現実に可能な計画ではなく、単なるおとぎ話の書類と見なされている」との専門家の談話を紹介した。
 22日、ニューヨーク州のクオモ知事はNRCとの会談を受け、同原発の安全評価見直しを「最優先課題とする」との約束を取り付けたと発表。 さらに同知事は、同原発の免許更新の拒否、つまり廃止も視野に入れていると発言した。
 しかし、代替電力の調達方法など難問は山積。答えは簡単にみつかりそうにはない。

米国は23基が福島第1原発と同じ原子炉 米政府、安全性を検査
2011.3.24
 米国では、国内104基の原発のうち、23基が福島第1原発と同じ原子炉を使っているとされ、安全性を不安視する声が出ている。(共同通信)

キャメロン英首相「日本人に敬意」
2011.3.24
 菅直人首相は24日、英国のキャメロン首相と電話会談。
 キャメロン氏は「日本人の強靱で立派な対応に心から敬意を表したい。必要な支援があれば遠慮なく言ってもらいたい」と支援を表明。(ロイター)

「日本は必ず復興する」イスラエル首相が国会で演説
2011.3.23
 イスラエルのネタニヤフ首相は22日、国会の本会議で演説、東日本大震災の犠牲者に哀悼の意を表明し「日本人は非常に強い民族だ。全ての力を振り絞り、長い時間がかかっても必ず復興すると信じている」と語った。
 本会議には竹内春久駐イスラエル大使も招かれ、出席した全議員が震災犠牲者の冥福を祈って1分間黙祷した。
 アヤロン外務副大臣によると、被災地で医療支援に当たる50人規模のチームと、簡易トイレや毛布などの支援物資を載せた飛行機は26日に出発する予定。先遣隊は既に宮城県栗原市で調査活動をしている。(共同通信)

みんな江田氏、都心の高級ホテルや客船、高層公務員住宅での被災者受け入れを提唱
2011.3.22
 みんなの党の江田憲司幹事長は22日の記者会見で、東日本大震災や福島第1原発事故からの避難者が増えていることについて「3月末で閉じる予定のグランドプリンスホテル赤坂には761室の客室がある。政府がお願いして被災者受け入れを検討してほしい」と述べた。
 また江田氏は、日本チャータークルーズの客船「ふじ丸」による救援についても「会社側から申し出があるにもかかわらず、受け入れ態勢が整わず東京湾に留め置かれている」と述べ、政府に早急な対応を求めた。
 東京都江東区にある新築高層の国家公務員宿舎「東雲住宅」(36階建て、900戸)が現在すべて空室のため、この宿舎の活用も改めて求めた。

「ガンバレ日本」の横断幕とともに行進 パキスタン
2011.3.20
 頭に赤いターバンを巻き、パキスタンと日本の国旗や「ガンバレ日本」などと書かれた横断幕を掲げて行進する人々=20日、カラチ(AP)
 東日本大震災の被災者を励まそうと、パキスタン南部カラチで20日、日本と関わりのあるパキスタン人や現地に住む日本人らが「ガンバレ日本」などと書かれた横断幕を掲げ、行進した。
 在カラチ日本総領事館などによると、文化団体「パキスタン日本文化協会」と経済団体「パキスタン日本ビジネスフォーラム」が開催を呼び掛け、企業関係者や学生ら約800人が参加した。
 文化協会名誉会長の劇作家ファティマ・スラヤ・バジヤさんは「地震は建物を揺らすことができても、日本人の精神を揺るがすことはできない」とあいさつした。
 参加した磯村利和首席領事は「日本人と同じ痛みを感じ、共にあることを示していただき、感謝します」と述べた。(共同通信)

大塚副大臣、節電でTV放映自粛を要請? 厚労相は否定
2011.3.18
 厚生労働省の大塚耕平副大臣は17日夜の記者会見で、同日夜に懸念された東京電力管内の大規模停電に関連し、「新聞社やテレビ局として節電にどう協力するか議論してほしい。日中の番組の放映にも当然電力を使っている。人命に関わることにリソース(資源)を割きたい」と述べた。
 大塚氏の発言について、細川律夫厚労相は18日午前の記者会見で「全体的な節電を政府が呼びかける趣旨で発言しているので、別に他意はないと思う」と指摘。日中のテレビ放映の自粛などを求めた発言ではないとの認識を示した。

台湾で被災者支援イベント 馬英九総統夫妻も参加
2011.3.18
 東日本大震災の被災者を支援するチャリティーコンサートが18日夜、台北市で台湾赤十字会や地元メディア20社以上の共催により開かれ、馬英九総統夫妻も参加した。ジュディ・オングさんなど日本でもおなじみの歌手や俳優ら100人以上が参加。コンサートはテレビで生中継され、馬総統夫妻をはじめとする参加者が電話で義援金を受け付けた。(台北)

ミャンマーが義援金
2011.3.18
 18日付のミャンマー国営紙によると、同国のニャン・ウィン外相は17日、東日本大震災の被災者への義援金として、10万ドル(約810万円)を斉藤隆志駐ミャンマー大使に手渡した。(共同通信)

「日本人は力強く復活する」オバマ大統領が記帳
2011.3.18
 オバマ米大統領は17日、ワシントン市内の旧日本大使公邸を訪れ、東日本大震災の犠牲者や被災者らに見舞いの記帳を行った。
 大統領は、米国人から届いた弔意を示すカードが置かれ、花が生けられたテーブルの前で無言のまま数分間にわたり記帳した。
 内容は「とてつもない悲劇に見舞われたが、私の心は日本の方々とともにある。米国は常に、助けを必要とする最も偉大な同盟国とともにある」と激励。その上で、「日本人の強靭さと英知を思えば、必ずや今まで以上に力強く復活するだろう」と認めた。

インドのシン首相が日本大使館訪れ見舞いの言葉
2011.3.17
 インドのシン首相は17日、東日本大震災を受け、日本国民への見舞いの言葉を伝えるために、ニューデリーの日本大使館を訪れた。シン首相は「インド国民は日本国民の悲しみと嘆きを共有する」と記帳した。インド政府は「日本への支援を惜しまない」との立場を表明しており、すでに毛布2万5000枚を被災地に搬送している。